携帯獣
□3時のおやつ
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ーそれはサンヨウシティジムでの出来事だった。
side:ポッド
3時のおやつの時間、いつもは大好きなお菓子を食べているはずの時間に、今俺はものっすっごく危険な状態に陥っている。
目の前にはにこやかに微笑んでいる俺と同い年のデント、そしてコーンがいる。
理由なんて分かってる、寧ろ俺がいけない事をしたのだとも分かってる。
…けどっ!!
「「…ねぇ、ポッド」」
あぁ、もうっ二人で一緒に言うのは勘弁してくれ!!
3時のおやつが食えなくなる!
俺は反射的に後退った。
「あんなに意気込んでたのに」
デントの痛い言葉に続きコーンが留めを刺すのだ。
「負けましたよね?」
声と表情が甘く見えるコーンだからこそ余計に悪魔みたく感じるっ!!
…いや、いつもコイツは…。
…やっぱやめとこ。
「け、けどよっ!アイツは前に俺じゃなくてデントと戦うっていっ「言い訳だよね?」」
必死に抵抗しようとするがばっさりとあの悪魔のような笑顔でデントに切り捨てられた。
…うぅ、分かってるさ、言い訳だってっ!!
あまりにもの悔しさに目尻が熱くなった。
「ヨーテリーは善戦でしたけど、バオップはどうしたのです?…炎扱いが聞いて呆れますよ?」
そしてかなり傷口をえぐるようなコーンの言葉。
くそっ、本当に俺と兄弟かよ!?
実はデントとだけじゃねェの!?
様々な想いがぐるぐると渦巻いたが、…言えるはずも、なく。
「うっ…」
俺は思わず息詰まり、俯くことしかできなかった。