鬼畜眼鏡
□灼熱零度
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ひんやりとしたものがオレの肌を被い、秋も深まり冬に近づいている時期であり、今宵は零度にまでなるとまで言われていた為すっかり身体は冷たくなるはずだった。
けれど、こんなにも身体は今にも火がつきそうな程に熱く、燻っている。
「っ、んぁ……太一…、恥ずかしい、よ……」
白いものに被われた肌を赤い唇で口付けられれば、甘い声が洩れて一層身体に熱が灯った。
「でも、興奮するでしょう?…ふふっ、生クリームでいっぱいだね……」
からかいの混じった欲を秘めた声に、頬がカァ…と紅潮し、羞恥から目頭をじんわりと熱くさせた。
けれど太一の言う通り、興奮して…感じてしまうのも事実で…。
なかなか言い返せずにいると、頬にギターを弾く掌が添えられた。
その手は、最初に出会った時よりも大きくて…。
思わず肩を跳ねさせていると「可愛い…」と蜂蜜色の瞳が細められた。
…何故こんなにも、羞恥に襲われているのかには理由がある。
先程太一が言ったのだけれど…、オレの身体は今、白い生クリームで覆われている。
少しだけ、じゃない。
何も纏わぬ姿で本当に指の一本一本、白に染められているのだ。
それを、本日歳を一つ重ねた恋人の太一が舌先で舐めとっている。
舌先が肌に触れる度、揶揄するような声色に、ひんやりとした生クリームがオレの肌を冷たくしていくのを阻むかのように、身体中に燻る程の熱い熱が灯されていく。
「やっ…可愛くないっ…。ふぁ、んっ…あぁ…っ」
鼻から抜ける甘い声にまたも羞恥を感じて、クリームが未だに所々ついている腕を太一の首に回して、密着し顔を隠そうとしたが「ダーメ」と微笑みながら阻まれた。
「克哉さん、エロい…。…ここも、苺みたいで美味しそう…」
クスクスと笑いながら、刺激されてぷっくりと赤く色づいた突起を唇で食まれて、甲高くはしたない声が上がった。
「ひ、ぁあっ!!や…っ、ダメ、太一っ…、そこ、ダメ…っ」
白い裸体を厭らしくくねらせながら目頭に涙を溜めて見つめれば、既に先端から浅ましい欲を滴らせている自身を扱かれた。