鬼畜眼鏡

□桜色の甘い愛
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「あっ…、はっ、んぅ…あぁっ!」

暖かなひだまりに包まれる中、桜の香りが鼻を掠めると共に、この時間帯には相応しくない、艶やかで甘い嬌声が響いた。

そう、今日、は。

大事な大事な恋人の誕生日で。

この時期の仕事は余りにも忙しくプレゼントを用意する暇さえもなく、何かあげなくてはと思いながらも時間が過ぎていってしまった。

そして、当日。

結局何も用意できなかったオレはあることを決意した。

自分からセックスを誘い、愛しい恋人の希望を叶えることをー…。

そして、今、オレは真っ昼間にも関わらずはしたなく、恋人に跨がり繋がっている腰を淫らに揺らしている。

そんなオレをただ恋人はニヤけながら見つめる。

「っ、く…っ、克哉…」

自分のイイ所を突かれ、思わず下半身に力が入れば、恋人が一瞬息を詰め、笑った。

「克哉、克哉…、好き、だぜ」

太陽のように眩しい笑顔に胸が温かくなる。

オレは「オレも…、好き、本多…っ…」と返し、自ら唇を重ねた。

微かに開いている窓からは春特有の生温かい風が入りこむと共に、母なる大地に咲き誇る桜の花びらが運ばれてくる。

オレ達を包む部屋に春の暖かなひだまりが射し、オレと本多を照らした。

「ん…っ、本多、キモ…チ、いい?」

腰を揺らめかせながらそっと問えば「…あぁ」と微笑まれた。

その笑みに春のひだまりが射し、とても美しく、…男らしく照らす。

心臓が高鳴り、喉が自然に鳴る。

じんわりと胸に愛しさと温かさ、そして幸せが滲む。

「本多、好き…、大好きだよ…」

窓から入った桜の花びらをそっと手に取り、本多の唇に軽く当て、それを唇で覆う。

まるで、淡い桜色のようにこの恋も甘くて優しくて温かい。

「誕生日、おめでと。本多ー」

また来年も再来年もオマエとこの日を過ごし、笑いあいたい。

にっこりと微笑めば、また唇が重なり、愛を告げた。

窓に運ばれた春の桜が愛を包んでいくのだったー。


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