鬼畜眼鏡
□jealousyrose
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・Prologue・
ーこの気持ちを抱くことが情けないなんて知っている。
付き合っている彼女みたいに「浮気してるんでしょ!?」などとは思わない。
けれど、…不意にとてつもなく、不安に駈られる。
浮気をしているか…より、自分なんて必要ないんじゃないのか、とか…そんなことを思ってしまう。
あの人は誰もが認めるほどに才能があり、仕事ができる人で、有望視されている。
それに比べて自分は仕事だってそんなにできず、栢の外だ。
そんな自分と正反対な恋人には、色々な人が集まる。
それに不安になると共に、胸の奥で醜い、暗い何かが渦を巻く。
まるで黒く染まった深紅の薔薇が潰れ、散るかのように。
ーこの気持ちが、“嫉妬”だなんて気付いてる。
だからもっと早く「こうすれば」よかったんだー…。