歌詞題材

□俺達のJOY!/山本武&獄寺隼人
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シモンファミリーとの、すれ違いという名のD・スペードの罠により強いられた闘いも終え、再び平和が訪れたと我ながら、気を抜いてしまっていた、ある日。

赤ん坊でありながら、イタリア最強のヒットマンであるリボーンさんのアルコバレーノの呪いを解くことが出来るという、アルコバレーノ代行戦が突如始まった。

この闘いは、リボーンさんやボンゴレリング争奪戦で、クローム髑髏と戦ったマーモンというような、アルコバレーノの呪いを解くことが出来る唯一のチャンスらしい。

しかしアルコバレーノ本人らが闘うと何やら支障や差が出るらしく、各々最強の代理人を立て、立てられた代理人同士が死闘をし、最後まで勝ち残った代理人を立てたアルコバレーノだけが、呪いを解いてもらえるようだ。

俺、10代目の右腕である獄寺隼人は、もちろんこの闘いに参加するつもりでいた。
リボーンさんの呪いが解けてほしいのもあるが、何よりリボーンさんに代行を頼まれた10代目を、右腕として…友達として、支えたかったからだ。

結果、リボーンさんの代行チームのボスである10代目がボスウォッチというものをつけ、そんな10代目をお守りする俺と、認めたくねェが野球バカと芝生頭がバトルウォッチというものをつけた。

戦闘方法は案外シンプルで、バトルウォッチが壊されなかったとしても、ボスウォッチが壊された時点でそのチームは敗退。
逆に、いくらバトルウォッチが壊されてもボスウォッチが壊されなければ、チームは敗退とならない。

1日の中でいつどこで始まるか分からない、1日の中で決められた時間制限がある中での、バトル。
気なんて、抜いてる隙も暇も与えられない。


てんやわんやで進み、何個か敗退するチームが出るなか、俺達のチームは生き残っていた。
まあ、10代目がボスだから当たり前なんだけどな!

しかし、今日の10代目はどこか影を落としていた。
学生である俺らは、1日の半分を学校で過ごしている。
もちろん、バトルが始まってしまったら、早退なりなんなりするつもりであるが。
おそらく、10代目があんなに落ち込んでらっしゃるのは、実の父であるボンゴレの門外顧問に、負けてしまったからだろう。

何の意図で10代目のボスウォッチを壊さなかったのかはわからないが、形としてチームで負けてはいないものの、10代目曰くサシで父親に負けてしまったらしい。

きっと、10代目はとても迷い、落ち込み、悩んでらっしゃると思われる。
授業中もどこかぼぉっと窓から見える空を眺めては、ノートに視線を落とし、小さく息を吐いていた。
10代目にはとても足元に及ばない自分が言うのも憚れると思うが、親族に負けてしまった時の気持ちがどれだけ悔しいものかが、少しは分かっているつもりだ。

10代目がお亡くなりになっていたという、あってはならない未来へ飛ばされてから、そんな未来を変える為に、過去から飛ばされた俺達は未来での闘いに対応できる用に、修行をさせられた。

ムカつくことこの上ないが、実力が確かにある雲雀の10年後は、10代目の特訓を。
10代目と同じく未来でお亡くなりになってしまっていた、過去から来たリボーンさんは、野球バカの特訓を。
そして俺の腹違いの姉貴こと、ポイズンクッキングの力を持つビヤンキは、俺の特訓を。

こうして、様々な人により確実に俺らは未来での闘い方と、確固たる戦闘スキルを身に付けた。
最終的には、10代目があのいけすかねぇ男、白蘭を倒して…あの時の10代目は、更に強く逞しくて、感動させられた…って本題がずれた。

要は、このような力がついたのには様々な労力があってこそだ。
正直、修行直後俺は逃げ出してしまう程、精神的にも戦闘的にも弱く、これまでの自分の自惚れに挫折しかけたこともあった。

姉貴に、親族に、負けたあの時の悔しさと、乗り越えたいという負けん気は、忘れられない。
おそらくそれは、ボンゴレリング争奪戦の時に、実の父親に稽古付けられた、あの野球バカもそうだろう。

おそらく、10代目は今までそのようなことがなかった為、親族に負けた、それもあまりよく思っていなかった父親に負けたことに対する抱く思いに、様々な苦悩を感じているのだろう。

…なんでかは分からないけれど、これは10代目自身が乗り越え、気づくことだと思った。
そのため、直接は烏滸がましい話、お助けすることはできない。
あぁ、もどかしくてイライラする。

自分を見失った貴方に、この右手が差し出せないことが、こんなにも悔しくて。
どうしたらいい分からない気持ちのまま、降りしきる雨の中を、傘もささずに学校から飛び出した。

貴方の眩しい、俺に見せてくれたあの笑顔がただただ、みたいんです。
どうしたら、それが、叶うの、だろう?
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