夢小説
□感謝
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最近翔が冷たい。
付き合って五ヶ月。
もう私のこと覚めちゃったのかな…?
「翔!一緒に帰ろ!!」
「ワリィ、今日急ぐから!じゃーな。」
なにさなにさ。
前はすごい優しくしてくれて、いつも一緒に帰ってくれたのに。なんで一緒に帰ってくれないの?
習い事とか?
それとも、やっぱり嫌いになっちゃったんじゃ…
「ねぇ、翔。最近一緒に帰ってくれないけど、用事でもあるの?」
「あ、あぁ、ちょっとな」
「ふーん…」
微妙な空気。
怪しい。
翔は絶対に何か隠してる。
「ねぇ、なんで隠すの…?」
「え!?」
ギクッとなる翔。
何を隠しているの?
「教えてよ。私のこと嫌いになっちゃったの?」
目の底が暑くなって涙が溢れてきた。
「わっ、え!?泣くなよ!!」
「だって、だって……」
「ご、ごめん!俺、別に名無しさんのこと嫌いになってねーから!!つか、嫌いになるわけねー!!」
「本当に?」
「ったりめー。好きだっつーの///」
「翔……。じゃあ何を隠してたの?」
「…誕生日……。」
「え?」
「名無しさん、もうすぐ誕生日だら?でも俺金ねーからずっとバイトして金ためてた。」
「いつも一緒に帰れなかったのはバイトのせい?」
「おぅ。」
「なんだ〜…。もー!ビックリさせないでよー」
「ごめん、ごめん。ほら、もう泣くなよ。今からプレゼント買いに行くぞ!」
廊下を小走りする、翔。
「あ、まってー」
翔のあとを追いかける私。
先に行ってしまう翔の背中を見つめながら、心の中でつぶやいた。
大好きって