Novel short

『ん?』ってなる話
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追い駆けて来る


何処に逃げても


彼が、幸村が…


僕の後を追って来る






「急がなきゃ!」





その日、僕は手塚との約束に遅れそうだったから近道をしたんだ。


そしたら、どういう訳か幸村の目に止まってしまったらしく。
僕は、その日から幸村に追われることになってしまった。





「はぁ……はぁ……ッ!」


「待ってよ。ねぇ何処に行くんだい?」





必死で走って逃げているのに、彼は息一つ乱さずに追って来る。
もうどれだけの間、走り続けたのか分からない。
でも止まる訳にはいかなかった。



もし捕まったら、と想像するだけでも恐ろしくなる。






「…て、づか!助けて、手塚!」






もう少しで手塚のところに着く。
僕は残りの力を振り絞った。


もう直ぐだ。

あと少しで……














    「 捕まえた 」







あと少しだった。


なのに、




捕まってしまった。











「どうして、ここに……」


「猫に聞いたんだ。」






逞しい幸村の腕に捕らわれた僕は恐怖に身が竦んで、抵抗すら出来なかった。


彼の言う猫≠ェ誰を示しているのかを考える余裕も無かったが、恐らく英二のことだろうと直感的に察した。
気前の良い彼の事だ、何の疑いも無しに幸村の質問に答えてしまったのだろう。


この時ばかりは親友である英二を本気で恨んだ。





「ねぇ、不二は何処に行こうとしていたの?」


「…手、塚のところに………」






幸村の声が吐息と共に耳へと吹き込まれた。
甘い痺れが走り、ビクッと身体が跳ね上がる。


直ぐ側で幸村が笑う気配がした。






「やっとゆっくり話しが出来たねウサギさん」
















※ネタバレ


●不思議の国のアリス(笑)


配役
┣アリス:幸村精市
┗ 白兎 :不二周助





途中で「ん?」と疑問を感じたりお気づきになった方は凄いです!
相変わらずの意味不ストーリー。
 

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