Novel short
□『ん?』ってなる話
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追い駆けて来る
何処に逃げても
彼が、幸村が…
僕の後を追って来る
「急がなきゃ!」
その日、僕は手塚との約束に遅れそうだったから近道をしたんだ。
そしたら、どういう訳か幸村の目に止まってしまったらしく。
僕は、その日から幸村に追われることになってしまった。
「はぁ……はぁ……ッ!」
「待ってよ。ねぇ何処に行くんだい?」
必死で走って逃げているのに、彼は息一つ乱さずに追って来る。
もうどれだけの間、走り続けたのか分からない。
でも止まる訳にはいかなかった。
もし捕まったら、と想像するだけでも恐ろしくなる。
「…て、づか!助けて、手塚!」
もう少しで手塚のところに着く。
僕は残りの力を振り絞った。
もう直ぐだ。
あと少しで……
「 捕まえた 」
あと少しだった。
なのに、
捕まってしまった。
「どうして、ここに……」
「猫に聞いたんだ。」
逞しい幸村の腕に捕らわれた僕は恐怖に身が竦んで、抵抗すら出来なかった。
彼の言う猫≠ェ誰を示しているのかを考える余裕も無かったが、恐らく英二のことだろうと直感的に察した。
気前の良い彼の事だ、何の疑いも無しに幸村の質問に答えてしまったのだろう。
この時ばかりは親友である英二を本気で恨んだ。
「ねぇ、不二は何処に行こうとしていたの?」
「…手、塚のところに………」
幸村の声が吐息と共に耳へと吹き込まれた。
甘い痺れが走り、ビクッと身体が跳ね上がる。
直ぐ側で幸村が笑う気配がした。
「やっとゆっくり話しが出来たねウサギさん」
※ネタバレ
●不思議の国のアリス(笑)
配役
┣アリス:幸村精市
┗ 白兎 :不二周助
途中で「ん?」と疑問を感じたりお気づきになった方は凄いです!
相変わらずの意味不ストーリー。