Novel parallel

□お伽の国の跡部様
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昔々ある国に、なかなか子供ができない王と王妃がおりました。
子供ができない事を悲しみ二人は色々な事を試しましたが効果はありませんでした。

ある日、お妃様は窓辺で雪を見ながら






「この雪のように肌が白くて、
林檎のようにクチビルが赤くて、
王様のように美しい蒼い瞳の子どもが欲しいわ」






と考えました。


それから幾日が過ぎるとお妃様の願いは叶って、その通りの男の子が生まれました。
男の子は『景吾王子』と名付けられました。


景吾王子の誕生を心から喜んだ二人は立派な先例式を開きました。
そうして沢山の人がお城に招かれました。
それから生まれた王子様が幸せになれるように良い魔法をかけて貰おうと国中の魔法使いも招きました。
王様は4人の良い魔法使いをお城に招待しました。
やって来た魔法使い達は王子様の為に良い魔法の贈り物をします。






「王子様は誰もが驚くほど美しい方になるでしょう」



「王子様は誰もが驚くほど聡明な方になるでしょう」



「王子様は誰にも負けない心の強さを持つでしょう」








そして、いよいよ4人目の魔法使いが王子様に贈り物をしようとした時、いきなり禍々しいオーラとともに黒い男がやって来ました。
黒い男の名前は『榊』といって、美しい少年が大好きな悪い(変態)魔法使いとして有名でした。








「こんな美しい王子様の存在を私に隠そうとは、やってくれる」






悪い(変態)魔法使いは黒いマントを靡かせながら言いました。






「美しいものは全て私のものだ。さぁ、王子を私に渡せ!」






そして悪い(変態)魔法使いが両手を広げて大声でそう言うと、王子様を守ろうとした王様やお妃様、そして家来や召使いたちも次々に皆倒れて眠ってしまいました。






「ハッハッハッ!これで王子は私のものだ!一生可愛がってやるぞ美しき王子!」






悪い(変態)魔法使いの笑い声が城中に響きました。
そして景吾王子様を片手に抱いて悪い(変態)魔法使いが去ろうとした瞬間のことです。
まだ贈り物をしていなかった4人目の魔法使いが眠りそうになりながらも最後の力を振り絞り、こう言いました。






「王子様の下半身に男は誰も触れないでしょう!」



「な、なぬぅぅッッ!!!!?」






王子様の下半身に男は触れられない≠ニいう魔法をかけたので、取り敢えず王子様の貞操は守られる事になりました。



しかし、何が何でも美しい王子様とアハンアハンしたい悪い(変態)魔法使いは魔法を解く方法を探しました。
そして魔法を和らげる方法を見付けたのです。


悪い(変態)魔法使いが和らげる魔法をかけた事で王子様の下半身は王子様が十五歳になったら触れる≠謔、になりました。
しかし、この和らげる魔法には注意しなければならない事が一つだけありました。
もしも王子様が十五歳の誕生日を迎える前に清らかな乙女と愛しあってしまったら♂、子様の下半身は永久に触れられなくなるのです。
つまり、王子様が十五歳になる前に脱童貞(相手は処女に限る)できれば忌まわしき悪い(変態)魔法使いから永久に貞操を守れるという事でした。


それを知った悪い(変態)魔法使いは国中の女達を全て追い出してしまいました。
何が何でも景吾王子とアッハンになりたかったのです。

こうして女と美しくない男が追放された国の城で悪い(変態)魔法使いは景吾王子の成長を心待にしていました。
それはもうウザったいほどに。
勿論、聡明な景吾王子は彼が本当の親でない事は解っていましたし自分に掛かっている魔法の事も解っていました。
出来れば今直ぐにでも逃げ出したかったのですが、やはり腐っても魔法使いである彼の魔力は凄まじく、お城には常に結界が張られていたので逃げる事はできません。

しかし、王子様が十四歳の誕生日を迎えた時の事です。
なんと虎視眈々と逃亡計画を立てていた王子様は悪い(変態)魔法使いを泥酔させて彼が眠っているうちに逃げ出してしまいました。


そして景吾王子は森の中へと逃げ込みました。






そこで、景吾王子は一人の子供に出逢うのです。










(物語はここから始まるのです)
 

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