無N

□愛の言葉
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「ま、待って…悟空」
「?」
「…やっぱり、イタイ…」


赤らめた顔を歪め、無意識の内に内股を閉じようとする三蔵。悟空は腕をついて動きを止めた。


「どういう風に痛いんすか?」
「なんか、引っ掻く様な…」
「動くと痛い?」
「うん」
「…っかしーな。さっきまでちゃんと濡れてたんすけど…」

三蔵の体から離れようとするが痛みで細められる目にそれすらも叶わない。参ったと溜め息をつく悟空。

「ごめんね…平気だから続けて?」
「でも」
「大丈夫だから」
「俺が嫌だ。傷つけんの」

ぶっきらぼうに放たれた優しさに三蔵は微笑む。するとあることを思い付き、目を見開いた。

「悟空、」
「はい」
「あの…さ」

「…好き、っていっぱい言って…?」

はにかむ三蔵。


(…やべぇ、可愛い)

生唾を飲み込むと三蔵の耳元で囁いた。

「先輩、好きだ」
「…っ」

悟空の低い声が鼓膜をくすぐり三蔵は身を捩る。熱い吐息を吐く彼女に尚も畳み掛ける。

「好き、好き…俺はあんたが一番好きだ」
「んぁっ」
「…!」


悟空自身にすら伝わってくる熱。囁く言葉に愛液が溢れ始めていたのだ。それだけでなく、妖艶な表情を浮かべる三蔵に悟空は思わず腰を動かしてしまう。

「あぁっ」
「無理。あんたえろい」
「はぁん!」

激しい律動に涙を流す三蔵。迫り来る快楽に二人は達した。


「はぁ…はぁ…」
「…すんません、つい」
「うん…やっぱり最後は痛くなかった…」
「まじ?もしかして言葉攻めとか好き?」
「…ううん。そうじゃないの」
「?」
「悟空、普段素っ気ないから…甘い言葉をかけられると…私、」

三蔵は羞恥に俯く。少し遅れて意味を理解した悟空はバツが悪そうに顔をしかめる。

「だって…その、」
「いいの。そんな貴方が好きだから」
「……」

照れ隠しに口づけを落とすと三蔵は笑った。



悟空は悩んでいた。前戯を怠った訳ではなく互いの愛が薄れた訳でもない。それなのに何故三蔵が濡れにくくなったのか。

(セックレス?)

元々恋愛などに三蔵は疎かったため今まで何人の男が涙を飲んだことか。言ってしまえば、悟空以外に興味を持つことなく生まれたのだ。他の男に触られても驚かないが、悟空にだと過敏に反応してしまう。つまり三蔵と体を重ねるのはこの男にしか成せない技だった。

ならば行為が可能な時点ですでに上出来、飽きがくることなど当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。

打開策をと夜な夜な考え込む後輩の頭は今にもショート寸前であった。



前夜の寝不足を解消させるため部室で昼寝という名のおサボりをしていた悟空。

ガチャガチャッ
「うわっ」

ドアノブを捻る音に飛び上がると恐る恐る近づく。
鍵をかけておいて正解だった半分、それが一体誰なのか分からない。とりあえずこちらから扉を叩いてみる。

「誰かいるの?」

返ってきた声に扉を開けた。

「先輩かよ」
「悟空!何でここに…授業は?」
「体調悪かったから寝てた。雨だから部室でね」
「…大丈夫?保健室行く?」
「もう平気。先輩は?」
「顧問の先生に書類を頼まれたの」

てめーで取りにこいよ、と悟空は舌打ちし頭一つ分小さい先輩を見下ろす。

「先輩」
「なあに?」

「今日…ピンク?」
「っ!」

背中に浮き出るラインをセーラーの上からなぞる。背中を震わせると振り向いた。

「…だめ」
「いーでしょ」
「誰か来たら、」
「鍵閉めた」

カチャンと後ろ手で鍵を締める悟空に三蔵は眉を下げる。

「悟空…!」
「やりたい…」

背後から徐に抱きすくめられる。肩口で優しく囁かれ三蔵は紅潮してしまう。更にはゆっくりと柔な手付きで肢体を撫でまわされ、セーラーを捲し上げられたため体が強張った。


「先輩、色白だからピンク似合う」
「…んっ」

悟空の指が直接胸に触れた。残る理性で男の手を掴む。

「帰ったら、しよ…?」


悟空は三蔵の手の甲を引っ張り上げキスすると嫌だと呟いた。それと同時にスカートの中へと手を滑り込ませた。

割れ目をなぞられると三蔵の腰が逃げる。悟空は自分の体を押し付けそれを許さない。
胸と秘部へくる柔い刺激と普段の後輩とのギャップに愛液が溢れる。

待ってましたと言わんばかりに悟空は下着を下ろすと指を沈めた。

「ああっ!」
「感じる?」
「んっ」
「もっと指…入れていい?」
「やぁあっ」

ナカをかき混ぜられる音と外の雨音が聴覚を犯す。そして、慣れ親しんでいる部室で行われていることが更なるエロチシズムを生んだ。三蔵の愛液が床に垂れる。

「はぁっ…制服、汚れ、ちゃ…んぁっ」
「先輩が好きだから気にしない」
「っ」

悟空の“好き”に面白い程反応する三蔵に自身も勃ちあがる。片手で体を支えるとズボンのベルトを外した。

「すげぇ可愛い」
「あっ」
「…大好き」
「あああっ!」

蜜壺に挿入される。突然の質量に喘ぎ声をあげた三蔵は口を押さえた。

「声出したいの?」
「はぁっ…つ、らい…っ」
「じゃあ俺が塞いであげますよ」
「んっ」

背後から首を捻って口付けられる。だが下半身の動きは止まらない。後ろから突き上げられ涙が流れる。

「んんっ」
「…先輩、痛くない…?」
「…う、ん」
「そっか…」

三蔵の唇を舐めると悟空は言った。


「じゃあ…ヤる時は一杯好きって言うよ」



【 愛の言葉 】


「だから普段は先輩が俺に好きって言って下さい」
「あ…」
「?」
「愛してるよ…悟空」
「……え、ちょ、やべ出る…!」

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