無N

□三蔵家編
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「そこで暫く反省しなさい悟空?」
「出してくれよーおししょおさまぁ!」
「だーめ!」
「うっき〜……」


三蔵は悟空をガレージへ閉じ込め鍵を閉めると、回覧板を片手に隣の家へ向かっていってしまった。


「くっそ〜…桃ぜんぶ食ったくらいでよぉ。…カエルをクローゼットん中にいれたのは…うん、はんせーしてるぜおれさま」

ブツブツと呟く悟空。すると、背後で何かが動く。

「…うわ!ごきぶり!?きもちわりぃ!」

逃げ惑い、ドンドンとガレージの扉を叩いた。

「おししょおさま〜!ごめんなさい!おれ、イイコになるから出してくれよ〜!」

三蔵は回覧板を回しに出ている。聞こえる筈もない。ところが、


どっごぉぉおおんんん!!!

「ええええ?!」

爆音と共に扉が吹っ飛んだ。悟空の頬に一筋の血が流れる。

「ひっ」

あと1pでもずれていたら…自分の頭が吹っ飛ぶ瞬間を想像し、悟空は青ざめた。
そして勢いよく顔をあげる。

「だ、だれだおまえ!」

明らかに三蔵ではない。2mあるだろうか、巨体の男。

「…オジサンじゃ。」

オジサンは悟空に近づいた。

「…またアンタかよ〜」

悟空はあからさまに面倒な顔でオジサンを見上げる。

「御主はもう自由じゃ」
「そのセリフあきたぜ、オッサン」
「オッサンではない。オジサンじゃ」
(うぜぇなこのじじい)

オジサンは手を差し伸べる。

「御主は…なにを望む、なにを好む」
「だぁかぁらぁ!いつも言ってんだろ!つえー奴とけんかしたい!!」
「…小児に殴り合いをさせるのはオジサンのポリシーに反する。他はないのか?」
「はぁ〜?いつもそれじゃん!一昨日だって同じこと言ってたしよ〜」
「良い物をやる、今日こそ我輩についてこい」
「え〜」
「我が家の桃の木、好きなだけ食してもいいぞ」
「わーい行く行く!!」
「…悟空、立ち上がるのじゃ」
「…てかさオッサン、なんでおれの名前知ってんだ?なんで助けてくれるの?」
「総てはオジサンだからじゃ。オジサンは小児が好きだからじゃ。さあ、行こう…悟空よ」


顔色の悪いオジサンが悟空の手を掴もうとしたその瞬間、

「なにさらしとんじゃいいい!!!」
ばきゃっ
「ぶへッ」
「おししょおさま!」

清…オジサンに華麗なドロップキックをお見舞いした三蔵は悟空に駆け寄った。

「大丈夫悟空?!」
「うん」
「ごめんね、怖かったよね…!」

ぎゅーっと一頻り抱きしめると、地面に転がるオジサンの首根っこを掴む。

「ちょっとしつこいよ清盛さん?」
「痛い痛い痛い」
「毎度毎度、悟空を連れて行こうとするのはもう止めて?」
「ふはは。ならぬ!悟空こそ、我輩の孫にふさわしいのじゃ!」

クロスチョップ。

ばきっ
「うおおお目がぁぁぁ」
「今度あの子に近づいたら警察呼んじゃうからね」
「ぐっ…」

オジサンは走り去ろうと腰をあげる。

「あ!オッサン約束の桃は?!」

悟空がオジサンに駆け寄る。するとキラーンと瞳を光らせたかと思えば小さな悟空の体を脇に抱え込んだ。

「うわっ?!」
「悟空っ!」
「ふははは!オジサンは負けぬぞ!」

オジサンは走り出す。

「おししょおさま〜さようなら〜」
「逃がすかァアア」

びゅんっ…ぐさ!

「ぐあああああ!」

三蔵の投げ放った物干し竿は見事に清も…オジサンの脳天に突き刺さり、その拍子に悟空はぽーんと宙に放り出された。


「悟空ー!」
「おししょおさま〜!」

三蔵ナイスキャッチ。



「いい悟空?」
「うん」
「桃あげるとか言われても、知らないオジサンには絶対ついていっちゃ駄目よ?」
「はーい」
「約束できる?」
「できるー!」
「よし!じゃあ、帰ろっか」





【 知らないオジサンについていってはいけないよ〜三蔵家編〜 】



「防犯ブザー買ってこよっか!」
「ぼうはん…ぶざー?」
「そう!変なオジサン見つけたら鳴らすの」
「じゃあ、さっきのオッサン見たら使えばいいんだね!」
「そうだよ!イイコだ!」


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三蔵と清盛で悟空の取り合いとか最高

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