novel

□拒んじゃやーよ
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イリ「先輩どうしたんですかーその頬?」

レノ「ん?」

イリ「綺麗な紅葉が咲いてますけど」

レノ「あぁ、これか」

イリ「痛そうっすねー」

レノ「社長の愛の鞭だぞ、と」

イリ「まーた無理強いしたんでしょ?」

レノ「チューしようとしただけだぞ俺」

イリ「…どうせ執務中にしたんじゃないの?」

レノ「お、イリーナ流石だぞ、と。眼鏡をかけて書類をチェックする社長にムラムラしてキスねだったら…」


『しゃちょー、チューしよ?』
『ついに頭が沸いたか』
『俺はいつだってあんたにお熱だぞ、と』
『いいから離れろ。仕事が進まん。馬鹿が染つる』
『チューさせてくれたら離れますよ』
『…いい加減にしろレノ』
『だからぁ、チューしようって!』
『レノ、』
『社長ぉ』
『…ッッ』
『愛してますよー!!』

ばっちーん

『〜〜〜いってェェ?!』
『………』ゴゴゴゴゴ
『…はっ?!』
『…一から調教されたいか…』
『いや、その、』
『私が公でこのようなことを許すとでも?』
『お、俺しかいねーじゃん?!』
『…なんだ?この私に文句をつける気か?…随分と偉くなったんだなレノ』
『そ、そういうつもりじゃ、』
『そんなに出世したとは…私も嬉しい限りだ。そんな重役のレノ君にはこの書類の束のチェックを頼もう』
『え、え、え?!』
『誤字脱字がないか、四十枚全てに目を通せ』
『しゃ、社長、俺は』
『宜しく』ニコッ


レノ「…と、いうわけだ」

イリ「ただの阿呆ですね」

レノ「ちょ、酷っ」

イリ「しかも先輩に書類チェックさせたところで意味ないでしょ。間違い見つけられないでしょ」

レノ「俺も思った」

イリ「わざとですね」

レノ「わざとだな」

イリ「…社長もSですね〜まぁそんなところがいいんですけど」

レノ「そうそう、あの綺麗な顔になら踏みつけられたって嬉しいもん俺」

イリ「…先輩をMにする社長…怖いっす」

レノ「へっへっへー」

イリ「いや誇らしげな顔すんな!」


イリ「…それにしても綺麗にはいりましたね」

レノ「社長のビンタは世界一だぞ、と」

イリ「…世界一似合いますよ、あの動きは」

レノ「手形も綺麗だろ?」

イリ「それ思いました!女性みたいに指先細くて長いし」

レノ「あの指たまんねー!!」

イリ「はいはい」

コンコン

「「ん?」」

ガチャッ

ルー「……」

「「社長ォ!?」」

ルー「…レノ、終わっているのだろうな」

レノ「えっ」

ルー「書類」

イリ(黒い黒い!!社長のオーラ黒い!!!)

ルー「…この私をここまで歩かせておいて…終わっていないなどとは言わないよな?」

レノ「えっとーそのー」

イリ「しゃ、社長!態々お越し下らなくてもお持ちしたのに…!」

ルー「この書類は直ぐにいるのだ。待っている暇がない」

イリ「せ、先輩…!!」

レノ「はい、」

イリ「…おお!」

ルー「……」

レノ「…残り三枚だけ…終わってないけど」

イリ(凄い!四十枚もあったのに?!)

レノ「…ごめんなさーい」

ルー「…ふん」

カツンカツン

レノ「…??」

ルー「……」

チュッ

イリ「ーーー!!!!」

ルー「上出来だ」

レノ「………ッ」

ルー「ご苦労、レノ」

バタン!

「「………」」

イリ「いやーんなにあれ!?ご褒美のキス?!」

レノ「………」

イリ「流石社長〜!何枚も上手ですね!」

レノ「………」

イリ「…あれ、先輩?」

レノ「ぎゃーーー!!!」

イリ「ひっ?!」

レノ「しゃちょー!ずりぃよーー!もっと好きになっちまうー!!!」

イリ「お、落ち着け!」

レノ「たんねぇ!社長がたんねぇ!!」

イリ「え」

レノ「やべぇよ今ので盛った」

イリ「は?!」

レノ「社長を啼かせてぇ!!!」

イリ「ちょ、」

レノ「行ってきまーーーす!」

イリ「待て馬鹿先輩ィー!」




【 拒んじゃやーよ 】


バキューン!

「あ、先輩撃たれたな」
__________________
イリーナが大人だ。

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