幼女

□あんぶれーら!!
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ゼク「おや、雨が降ってきましたね」
サイ「なに。洗濯物を取り込まなくては」
ゼク「手伝います」



デミ「やっほぉーい!!!」
アク「うっせぇなぁ…」
デミ「あ、すんません」

ソファーにふんぞり返ったアクセルが不機嫌そうに呟いた。

ロク「アクセル雨嫌いだもんな」
アク「なんつーのこのジメジメ感?不快!」
デミ「雨いーじゃん!楽しいじゃん!」
アク「黙れ!」
デミ「怖っ」


そこへXが突進してきた。

「おっお空から水が落ちてくるよ?!」

大きなガラス扉を指差し興奮したように叫ぶ。

アク「おまっ雨知らねぇのかよ!」
「…あ…め?」
デミ「うん、雨!」
「すごい!Xお外行ってくる!」
ロク「あっ待てよX!」
「わ〜い♪」

聞く耳を持たず走り去ろうとするX。


ラク「待ちなさい。」
「ぐぇっ」

しかしラクシーヌの手によって確保された。

ラク「馬鹿ね、びしょ濡れになるわよ」
「じゃあ雨の日はお外に出れないの?」
シオ「じゃーん」

背後から現れたシオンの手に握られているのは傘。

「なぁにそれ!しおんのぶき?!」

シオ「フフ…違うよ。傘!」
「かさ…?」
デミ「俺それ嫌い」
ラク「黙ってなさい。」


シオンは傘を広げる。
パンッと音をたてて本来の形になった。

「わーぉ」
シオ「これを持って歩けば濡れないでしょ?」

もう一本の閉じた傘をXに手渡す。
興味津々に触る。


ラク「X、」

ラクシーヌが見本にさしてみせる。

「こう?」
シオ「そう!」

肩に引っ掻けて一回転したラクシーヌを見てXも真似する。

デミ「…可愛い…///」
アク「ラクシーヌはアレだな、荒んだレースクイーン」
ラク「私、冗談って嫌いなの。」
アク「俺は本気だ!」
ラク「殺す!!」


騒いでいると洗濯物を抱えたゼクシオンが通った。

ゼク「遊んでるなら手伝って下さい!」
「「「は〜い」」」

逆らえる筈もなく、一同は重い腰をあげる。

アク「…だりぃ」
ゼク「貴方には洗濯物を乾かしてもらいます」
アク「は?!」
ゼク「女性陣もこちらへ」
シオ「はい!」
ラク「しょうがないわねー」
ゼク「三人で協力宜しくお願いします」
アク「ちょっ、まっ、」
ラク「行くわよ。」

女二人に引き摺られていくアクセル。
ロクサスは苦笑いで、Xは笑顔で手を振った。


ゼク「残った貴殿方は取り込む手伝いを」
デミ「了解♪」
ロク「よし」
「わーい!」

何故か楽しそうなXも後を追った。



サイ「遅い!」
ゼク「すいません、増援を呼んでました」
「「「いえーい」」」
サイ「…逆に邪魔になる気がするが」
「「おい」」
サイ「まあいい。片付けるぞ」
デミ「合点承知!」
「がってんしょうちー!」
ロク「古っ」
サイ「風邪をひいたら困るからXは傘をさして立ってろ」
「はーい!」
デミ「ずるっ!超楽じゃん!!」
ゼク「口じゃなく手を動かして下さい!」
ロク「X、応援歌!」

ロクサスに促されXは踊りだす。

「がんばれがんばれマーマ!
 がんばれがんばれせんせ!
 がんばれがんばれろくさす!
 がんばれがんばれでーみ!」

傘を振り回し、跳び跳ねる。
案の定水飛沫が洗濯物を襲う。

ロク「ちょ、X、」
ゼク「洗濯物濡らしてどーするんですかァ」
「きゃっほぉー!」
デミ「あ、聞いてねーや」

なんか楽しくなってきたXは暴れまわる。

サイ「Xやめ「いえーい!」ぐはっ」
ゼク「サ、サイクスー!」

Xの『傘乱舞』の餌食となったサイクス。
それに合わせるかの様に雨風の強くなる。

ロク「ちょ、やばくない?!」
デミ「ひいぃっ物干し竿が折れたぁあ」

叩きつける雨粒。
叩きつけられる傘。


ゼク「落ち着きなさいX!!」
「Xさいきょぉー!やふー」
ロク「駄目だ、完っ全に壊れた!」
デミ「しかもなんか光ってるしっ」

身体を光らせて踊り狂うX。


ゼム「Xーっ」
「あっパパー!」

パパ登場。

ゼク「いいところに!Xを止め…」
「きゃっほー☆」
ゼム「いいぞぉX!防水カメラを購入して正解だったぁあ」
「「「お前までのるなァアア」」」


ぴかっ どごーん ばりばりばり

ぎゃぁああー…




【 あんぶれーら!! 】



「綺麗な雷ねー」
「…俺もう死にそうなんだけど…っ」
「「「ーーこっちが死にそうになったわ!!」」」
「わっ皆びしょ濡れ!大丈夫?!」
「楽しかったぁ♪」
「…よぉし、しっかり録画完了だぁあ」

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