幼女

□ベッドサイドに咲いた
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「何してるの?」
マル「いらないものを刈っているのだ」
「咲いてるのに?」
マル「量を減らした分、残した花がより成長する」
「ふ〜ん」
マル「これが大事な作業なのだ」
「じゃあXも手伝う!」
マル「助かるぞ……はっくしゅん!」
「だいじょうぶ?」
マル「…あぁ。ただの鼻風邪だろう」




―――次の日


デミ「マールーシャが風邪?」
サイ「相当ウイルス性の高いものだ」
アク「馬鹿は風邪をひかねーってのは嘘か」
サイ「アクセル、」
アク「はいはいすんませーん」
サイ「馬鹿は自己管理出来ないから風邪をひくんだ。」
アク「……」


「ママぁ」

Xが走り寄ってきた。

「お腹すいちゃった」
サイ「そうか、ちょっと待ってろ」

サイクスはキッチンに向かった。

「でみ、お水やりに行く?」
デミ「あ、行かなくちゃね!」
アク「マールーシャ風邪だってよ」
「かぜ?マルが?!」
アク「心配すんな。マールーシャだし」
デミ「うん、マールーシャだし」
「……」

せせら笑いをする二人を他所にXは落ち込む。


サイ「X、出来たぞ」

サイクスが目玉焼きをテーブルに置いたと同時にXはそれを飲み干した。

サイ「コラ!早食いは駄目だろう!」
「ごめんなさい!」

Xは席を立って走り去る。

デミ「ちょ、Xちゃんっ?」

デミックスはXを追った。



辿り着いたのは庭園。


Xは花壇に駆け寄り草むしりを始めた。

デミ「…Xちゃん」
「マルのかわりにXがやらないと…!」

真剣に作業するXを見てデミックスは微笑んだ。

デミ「じゃあ俺はあっちの水やりしてるね」
「…うん!」



次の日もまた次の日も。
Xは毎日庭園に訪れた。




―――マールーシャ自室。


マル「……。」
サイ「目を覚ましたか」
マル「…大分寝込んでしまったな」
サイ「調子はどうだ」
マル「まずまず」
サイ「飯を持ってくるから待ってろ」


サイクスが部屋から去った後、マールーシャはサイドテーブルに目をとめる。

マル「…これは…」

鮮やかなオレンジ色が眩しいダリアと薔薇の花束が飾ってあった。

マル(…庭に咲き始めていたやつか?)

誰の手によって飾られたかは分からなかったがマールーシャは微笑んだ。


そしてその次の日には白いチューリップが一本増えていた。

マル(…?)

床に土が溢れているのに気付いたマールーシャは身体を起こす。

それは点々とドアの前まで繋がっていた。

大分調子が戻った身体を動かしドアを開けると、その跡は廊下にも続く。

跡を追うと庭園に辿り着いた。



「おおきくなーれ!」

小さなジョウロで水をあげるX。
足元には土が。


全てを察したマールーシャ。


「〜♪」
マル「美しい花だ…貴女が育てたのかな?」
「…!!」
マル「花は育てた人の心を映す」
「マ、マルー!!」

振り向いたXはマールーシャに飛び付いた。


「もうへいきなの?!」
マル「あぁ、幾分良くなった」
「よかったね!!」
マル「X、」
「なぁに??」
マル「私の不在中世話をしてくれて有難う」
「どうしてわかったの?!」

フフフと笑うとマールーシャはXの足元を指差した。

「…あっ…」

自分の歩いた道に沿って残る土の跡。
Xは頭を掻きながら照れ笑いした。

「早くげんきになってほしかったんだぁ」
マル「……!」
「X、お庭いじりするの好き。でもね、やっぱり一人じゃ、さびしいよ」

「Xは、マルと一緒にお庭いじりするのが好きなんだよ」




【 ベッドサイドに咲いた 】



「〜Xッ!///」
「わあっ」
「やはり私の嫁に…っ」
「あ?!マールーシャ!お前何してんだよ!」
「失せろデミッk「でみー♪」ぐはっ」

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