幼女

□蛙の子は蛙
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「暇だなぁ〜」


Xはブラブラと廊下を歩く。

すると突然紫の閃光が目鼻の先に走った。


「ひっ」

瞬時にリフレクを発動する。


「あ、危ないなぁ!!」

犯人を探してXは辺りを見渡す。


「…あなたのしわざだね?!」

天井に張り付く物体に叫ぶ。

「降りてきなさい!」

怒るXに怖じ気づいたのか、大人しくXの前に現れた。


「名前はっ?!」

詰め寄るX。

「……しぐがご主人さま?…すないぱーさん!」

スナイパーは頷いた。
知っている正体と判明し、Xは笑った。

「ノォバディの皆から聞いたよ!」

スナイパーは首を傾げる。

「Xだよ。」

スナイパーはふるふると身体を震わせた。

「Xのこと知ってたんだね!…ふふ、謝らなくていいよ」

どうやらスナイパーはXと知らずにショットを撃ってきたらしく、相手の地位に気付いて謝ったようだ。


「…そぉさらーにバレたら殺されるから今の事は内緒にしてほしい?」

スナイパーは何度も頷く。

「そぉさらーってばパパみたいだなぁ」

Xはクスクスと笑った。
するとスナイパーが動く。

「…ばーさーかーも怖い?…皆ご主人さまに似るんだね!」


二人仲良く談笑していると


シグ「スナイパー!!どこだぁ?!」

ご主人様の声が響いた。
それを聞くと同時にスナイパーの身体が震える。


「…おしごとが嫌??」

千切れんばかりに首を振る。

「…つまりしぐから逃げたいんだね?」

懇願するスナイパーの手を掴んでX闇の回廊を開く。

「いこー!!」

シグ「あ!?」
「狽ハぁっ」

シグバールに気付かれる。

シグ「待てX!どこへ行く?!」

「走れー!」


しかし二つの小さな背中は振り返ることなく闇へ消えた。




「ここなら安全だよ!」

辿り着いた場所はXの部屋。

この城ではあり得ないカラフルな色にスナイパーは困惑する。

「あのね、パパがXの為に作ってくれたの!」

嬉しそうにベッドへダイブすると、こっちだと手招きする。

「さぁあそぼー♪」


挙動不審だったスナイパーも理由に納得したのかXと遊び始めた。


「あ、だんさー!」

途中、廊下を滑っていたダンサーも加わり三人は大いに盛り上がった。



追われていたことなどとっくに頭から抜けていた頃、回廊が開いた。

「…っ?!」

そこにはご立腹のドラグーンが。
どうやらスナイパーを探しに来たようだ。


「…あ、あなたは?」

スナイパーを後ろに隠し、Xは問いかけた。

「…どらぐーん…?」

ドラグーンの返事に首を傾げたXにダンサーが付け足す。

「あぁ!ザゥディンのはいかノォバディかぁ!」

現状を理解していないドラグーンは槍を構える。

「…敵じゃないよ」

優しく話しかけるも、ドラグーンの警戒心は解けない。

「あのね、」

Xが一歩出るとついにドラグーンは槍を向けた。

慌ててダンサーが事情を説明しようとする。

「だんさー危ない!」

ドラグーンが腕を動かすのに逸早く気付いたXがダンサーを庇う。

「ーーーっ?」


しかし、その刹那に瞬間移動したスナイパーがドラグーンを押さえつけていた。


「しゅ、しゅんかんいどぉ…っ!」


スナイパーはXのことを話した。

するとやっと理解したドラグーンは急いで槍を下ろした。

「大丈夫だよ、怒ってないから」

格上相手に槍を向けた事がプライドに触ったのか、何度も謝罪?するドラグーン。

「謝らなくていいよ。知らなかったんだからしょうがないよ」

やっと落ち着いたドラグーンにXは笑って言った。

「なんかザゥディンに似てるね!…ううん、だんさーもすないぱーも、皆ご主人さまに似てる!!」

不思議がるノーバディ達。


「怖いけどほんとは優しいザゥディン、いつも遊んでくれる大好きなでみ、面白くてカッコイイしぐ」

「そっくり!」


シグ「見つけたぜ〜」
「しぐ!!」

突然シグバールが回廊から現れた。


シグ「お前、コイツを匿りやがって。探すの苦労したぜ」
「だっておしごと嫌がってたから…」
シグ「…おいおい俺そっくりじゃねーか」
「ノォバディの皆はね、しぐ達ご主人さまに似るんだよ!!」
シグ「…否定はしねーよ」




【 蛙の子は蛙 】



「おら行くぞ!ザルディンにもキレられちまう」
「また遊ぼーね、すないぱー♪」
「暇な時だけな」
「なんで?」
「決まってんだろ、怒られんのは俺ってハナシだ」

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