幼女

□一日助手
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サイ「ヴィクセン」
ヴィ「なんだ」

「はかせー!!」

ヴィ「狽ミぃっ」


サイクスの背後から飛び出したXにヴィクセンは後ずさる。


サイ「今からお前以外任務でいなくなる」
ヴィ「……」
サイ「Xを頼んだ」
ヴィ「なに?!」

サイ「X、約束を守るんだぞ」
「うんママ!」
サイ「いい子だ」

ヴィ「待て!何故私がこんな小娘を…っ」
サイ「俺だって大事なXを貴様などに任せたくはない」
ヴィ「なっ…!」
サイ「だが連れてはいけないからな」
「大丈夫だよママ。Xいい子にしてるからね」
サイ「お前の心配はしてない。ちゃんと信頼しているからな」

素敵な親子ムードを漂わす二人にヴィクセンは顔をひきつらせた。


サイ「研究の手伝いならいいが…何かしたらダスクじゃすまないぞ」
ヴィ「ぐっ」
「いってらっしゃい!」
サイ「じゃあな」


サイクスはヴィクセンを睨んで回廊へと去った。


「はかせ、よろしくおねがいします!」
ヴィ「フ、フンッ」


ヴィクセンはXを連れて奥の部屋に入った。


ヴィ「この瓶を棚に片付けろ」
「はぁい」
ヴィ「…上から酸性中性アルカリ性になってるからちゃんと分けろよ」
「…さんせぇ?」
ヴィ「…これを見て憶えろ!」


そう言うと物質表らしき紙を数秒Xに示したがすぐに片付けてしまった。

しかしXは瓶を手に取り始めた。


ヴィ(ふふ…物質の整理など小娘に出来る訳がない!表を見せたのも一瞬。失敗を理由に追い出してやる!)

ヴィクセンは薄気味悪く笑いながら実験の続きをはじめた。



「終わりました!」
ヴィ「なに?!」

数分後、予期せぬ答えにヴィクセンは振り向く。

ヴィ「本当か?!」
「表のとおりに並べました」

棚に駆け寄って順番を調べる。

ヴィ「…な、何故分かった?!」
「だってさっきはかせが見せてくれたから!」
ヴィ「あの一瞬で記憶したのか?!」

くそぉう…と指導者顔負けの巻き舌で悔しがるヴィクセン。


「はかせ、Xもじっけんしたいです!」
ヴィ「っ汚すなよ!器材の破損も弁償だからな!」
「はぁい!」

許可を得ると一目散に液体やらビーカーやらをかき集めだした。


「あかあおきいろみどり…!」

そしてかき集めた材料を並べる。

「まずはこれ!」

緑色の液体をとる。
そしてXは星の舞う自分の髪を一本引き抜くとそのビーカーに落とした。

シュワシュワと音をたてながら溶けきると液体が光る。

「できたぁ!」


次に青と紫の液体を混ぜる。

「ママとせんせの色♪」

また髪を加えるとトロトロと溶けて光る。

満足そうに笑うと完成したものを脇に寄せ新しいビーカーを出した。


「あくせるとろくさすとしおん!」

そして赤・黄・黒の液体を混ぜ再び髪を一本。
ボンッと音をたてた。


ヴィ「何の音だ?!」
「はかせ!」

Xの前には3つの作品が。

ヴィ「…訳の分からん物を作りおって!」

「ぽーしょん!」
ヴィ「なに?」

Xは緑の液体を指差す。

「えーてる、えりくさー!」

残りの作品を説明しだす。

ヴィ「はっ外見だけだろう…」

と、いいつつも成分を調べる。


ヴィ「…こんなことがあり得るのかァア?!」

なんとXの配合は完璧だった。

ヴィ「貴様どうやった?!」
「かみの毛いれました」
ヴィ「狽ゥっ髪の毛だと?!」

Xが頷くとそれに合わせて髪に星が滑る。

ヴィ(究明せねば!!!)

ヴィ「こっちに来い!!」
「いたい!」
ヴィ「…頭髪に微量の発光粒子が付着している。これはなんだ?」
「離してください!」
ヴィ「…まさかこれが…!」

 ( キングダムハーツ!? )

勝手な思い込み&舞い上がり。
変態ヴィクセン。


ヴィ「骨の髄まで調べあげてやる!」
「いやぁ!たすけてぇ!!」
ヴィ「大人しくしろォオ!!!!」

アク「離せコラァア!!」

どぐしゃぁっ

ヴィ「狽ミっ?!」

デミ「Xちゃん!」
「でみっ…怖かったよぉ」

8.9.12見参。


ラク「相当消えたいようね…?」
ヴィ「き、貴様ら任務は…」
アク「至急片付けてきたんだよ」
デミ「…どっかの変態野郎が心配でな」
ヴィ(剥浮チ)

ラク「あんたみたいなクズをダスクにしてもしょうがないわ」
アク「だな。俺達の手で葬ってやろうぜ?」

ヴィ「やめろ…!」
デミ「消えな」

うわぁああー




【 1日助手 】



「楽しかった!」
「よかったね♪」
「今度もっと楽しいことを教えてあげるわ」
「おい」

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