幼女

□しゃかしゃかたんたん
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「せんせー!!」


シャンシャンと金属音を鳴らして走り寄ってくるX。


ゼク「おや、Xどうしたのですか?」


ゼクシオンはしゃがみこむ。


「見てて!」

そしてXは持っていた小さなタンバリンを叩きながら踊りだした。



ゼク「上手に踊れてますね」
「ホント?じょうず?!」
ゼク「えぇ。とっても可愛いですよ」


誉められたXは照れながら頭を掻いた。


ゼク「それはどうしたのですか?」

ゼクシオンは小さなXの手に握られているタンバリンを指差した。

「えへへ。でみがくれたの!」
ゼク「…あの音楽馬鹿もやりますねぇ」
「おんがくばか…?」
ゼク「いえ、こちらの話です」


ゼクシオンは浮かんだへらへら顔の青年を脳裏から掻き消し、Xの頭を撫でた。


「パパにも見せる!!」

Xはタンバリンを頭上高くに持ち上げる。
それに合わせてシャンシャンと金属音が響く。


ゼク「そうですか、ゼムナス殿なら広間に…」
「……」
ゼク「…どうしました?」
「せんせは来てくれないの…?」
ゼク「煤cぐっ!」

うるうると見つめてくるXから100のダメージ。


ゼク「すいません…私は今から調べものがあって…」
「…そっか、おしごとならしょうがないね…」
ゼク(…本当に物分かりの良い子ですね…っ)

感極まって涙するゼクシオンはハンカチで目頭を押さえる。


デミ「Xちゃぁ〜ん♪」
「でみー!!」


スキップしながら現れたデミックスはXと抱き合った。


デミ「Xちゃん会いたかったよ〜!」
「Xもでみと会いたかったよ!」
「「えへへへー♪」」

ゼク「Xに気安く触らないで下さい」
デミ「狽「って!?本の角は痛いってば!」

頭をシバかれたデミックスはXを床に降ろした。


ゼク「何のようです?」
デミ「Xちゃんのダンスの伴奏的な」
ゼク「貴方が教えたんですか」
デミ「あんなセンスの良い踊り作れんの俺しかいないでしょ?」
ゼク「…Xじゃなければただの藻屑です」
デミ「狽ミっど」

「でみー行こうよー!」

Xはデミックスのコートの裾を引っ張る。


デミ「そうだね、いこっか!」
ゼク「待ちなさい」

ゼクシオンは二人を引き留めた。

ゼク「ビデオ係が必要ですね。刺客を送っておきます」
デミ(そ、それは刺客って言わないだろ…)


震えながらデミックスはXを連れて回廊へ消えた。



「きんちょーするっ」
デミ「いつも通りやれば大丈夫だよ」
「うん!」

回廊から広間へ足を踏み出した。


ラク「X〜♪」
「あっラクシーヌお姉ちゃん!!」
デミ「狽ーっ」


二人より早く広間に辿り着いていた刺客、ラクシーヌ。


デミ「…刺客ってあんたか…」
ラク「そーゆーこと♪悪いけど邪魔させてもらうわ」
デミ(…あの腹黒策士)

静かに火花を散らすデミックスとラクシーヌ。

「お姉ちゃんも見てくれるのぉ?!」
ラク「そうよ、アンタの可愛い勇姿をしっかり録画してあげるわ!」
「わーい♪」

ラクシーヌが持つビデオカメラにXはピースする。


ゼム「X」
「パパ!!X今から踊る!」
ゼム「ほぉ…!」
「見てて!」


Xはデミックスに合図をすると踊り始めた。


「しゃかしゃかたんたん♪」


ラク「きゃあ可愛いー!!」

Xのズーム。

ゼム「…Xこっちを向けぇ」

ゼムナスはラクシーヌの撮影するカメラの後ろに回り込む。


Xはカメラ越しの父と姉に笑いかける。


デミ「…むっ」

何故か癪に触ったデミックスは叫ぶ。

デミ「Xちゃん上手!」

今度はシタールで伴奏するデミックスに笑顔を向ける。


ラク「ちょっと馬鹿デミ!!」
ゼム「X!パパ達だけを見なさぃぃ!」

「う、うん!」

再びヒートアップする二人に視線を向ける。


デミ「Xちゃんー!」

「…っ!」

ラク「Xっ!」

「〜〜〜っ!」

ゼム「Xーーー!!!」


「ふぬぉおおお!!」


「「「狽チ!?」」」


X爆発。




【 しゃかしゃかたんたん 】



「うぅ…っ」
「ご、ごめんねXちゃん!」
「泣いた顔も可愛いわね〜」
「…三人でダスクだな」
「「狽ヲっ?!」」

____________
オチが爆発。すいません。

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