幼女

□反抗期?
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「ごちそーさまでした!」


Xは食器を台所に置くと広間へ向かう。

「でみ、いこー!」
デミ「うん!」

そして二人は手を繋いで走り出す。


ゼム「待て」
デミ「げっ」


しかしその二人の前に立ちはだかるゼムナス。


「なぁにパパ?」
ゼム「…デミックス…昨日の日誌…」
デミ「う、あ、何でしょう?」
ゼム「…書き直せ」
デミ「…はぁい」

ゼムナスは日誌をデミックスに突きつけた。


「…でみ、おしごと…?」
デミ「…う、うん。ごめんな、すぐ行くから!」
「…うぅ」

デミックス以上にショボくれるX。


ゼム「どうした…私が付き合おうか…?」
「パ、パパはだめ!!」
ゼム「煤cっ?!」
「X…行かなくちゃ、マルが待ってる!」
ゼム「マ、マールーシャ…だと?」
「じゃあねパパ!」


Xはそそくさと回廊へ消えてしまった。


ゼム「…何故だ…」

アク「……反抗期…?」

ゼム「なにっ?」
アク「うぉっ」

一部始終をソファに座って見ていたアクセルが溢した一言に食いつくパパ。


ゼム「…反抗…期なのか?」
アク「いや知らねぇけど…年頃の女の子って父親嫌いになるだろ」
ゼム「…父親…嫌い…!!!!!!」
アク「ついにXにもきたのか…?」

ゼム「ぐわぁぁあああ!!!」
アク「うわっ?!」


ゼムナスは全速力でドッジロールをしだした。


ゼム「私のぉXがぁああ」
アク「気持ち悪ぃからやめて下さいっ」

ゼム「あぁぁ心などいらんんXさえいればぁぁ」

アク「〜落ち着けや!!」

ヴォン
ぐさ


アク「まだ分からないだろ?」
ゼム「し…しかし…」
アク「確認すればいい。な?」

頭部にチャクラムが刺さった情けない指導者を宥めるアクセル。


ゼム「…むぅ…」




翌日、ゼムナスはこっそりデミックスとXの後をつけていた。

仲良く手を繋ぎ歌っている。


ゼム(…おのれぇ…デミックス…!)

殺気立ったゼムナス。


「……パパ?」

デミ「え」
ゼム「狽チ!」

直ぐに気付いたXは振り返った。
仕方なく出ていくゼムナス。


ゼム「…やぁX」
デミ(狽ィ、親馬鹿だ)

「…どうしているの?」

眉間に皺を寄せるX。


ゼム「…偶々だ」
デミ「……」

「…パパ…ついてきちゃ、やぁよ」
ゼム「狽ネにぃ?」

「ついてきたらパパきらいになる!」

ゼム「煤[ーーッ」


「でみ、いこ?」
デミ「あ、うん…」


ショックで石化するパパを置いて二人は去ってしまった。





―――翌日の会議。


ゼム「…話は終りだ。さっさと散るがいい…」
全(((…えぇぇ)))

完全にやる気のないゼムナスに不安を抱きつつも解散する機関員。


アク「…大丈夫かよ…」

見かねたアクセルがゼムナスの元へ行く。


ゼム「…あれは…反抗期だ」
アク「まじか…」
ゼム「私より…デミックスをとった…」
アク(…だからさっきキツイ任務させたのか…)


ゼムナスはガックリと項垂れてしまった。

アクセルが慰めようとしたと同時に闇の回廊が現れた。


「パパぁ!!」

ゼム「狽チ!」
アク「お?!」

そして泥だらけのXが笑顔で飛び出す。


アク「X…どうしたその格好?!」
「あくせるもいたの?…どうしよう」
アク「…何がだ?」

Xは後ろで組んでいた手を前に出した。


「はい、パパ!!」


両手いっぱいのチューリップ。


ゼム「…これは…一体…」

「マルのお庭で、でみと一緒に育てたの!」
アク「…だから…か」
「うん。ひみつにしてた方が、びっくりするでしょ?」

得意気になって笑った。


「…パパ、きらいになるって言ってごめんなさい」
ゼム「……」

「X、いつまでもパパのことすきだからね!」


泥だらけの顔をゼムナスに近づけ、満面の笑みで言った。


ゼム「〜〜〜っ」
「……パパ?」
ゼム「Xーーー!!!」
「きゃっ」




【 反抗期? 】



「あくせるもすきだよ!」
「…貴様ぁ」
「待て待て待て、武器をしまえ!」

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