幼女

□きかんのみんな
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アク「姫さまのお帰りだぜ」


広間に着くと全員が集まっていた。


駆け寄ったロクサスとシオンはアクセルの背中で眠る幼女を見つけると微笑んだ。



アク「つか何、なんかあったのか?」


ソファにXを下ろすとアクセルが言った。


ロク「Xのことだよ」
アク「……」


アクセルは黙って輪に加わる。



アク「なぁ、アイツは何者なんだ?」
ゼム「…Xはキングダムハーツから来た」

ゼムナスの答えに機関員はうろたえた。


サイ「どういうことだそれは?」
ゼム「本人が言っていた。分かる情報は…それだけだ」
ヴィ「あんな小娘の言うことを信じるおつもりか?!」
ロク「小娘とか言うなよ!」
ザル「…ヴィクセンの言う通りだな。知能も少ないのだ。鵜呑みには出来ん」
マル「知能が少ないからこそ発言した言葉に意味があるのではないか?」


デミ「…なぁなぁ」

お互いに言い合っているとデミックスが手を挙げた。


デミ「不思議だなって思ったことでさ、」
ゼム「…言え」

デミ「Xが笑うと星が流れるんだよね」

サイ「…それが何だというんだ。偶然に過ぎん」

シグ「そーいやそうだな」
サイ「?」
シグ「俺達も見たぜ。な、ザルディン?」
ザル「……」

シグバールの問いかけにザルディンは黙り込んでしまった。


デミ「でしょでしょ?!やっぱりそーだよ!」

デミックスはサイクスに訴える。


ゼム「…偶然か…必然…か」
全「「「………」」」


ゼム「…必然だ」
サイ「ゼムナスも何か見たのか?」
ゼム「流星群…あれは…確かにXとの表情と連動していた」
サイ「……」


ゼク「そういえば、不可解な事を言ってましたね」

首を傾げる一同に続ける。


ゼク「キングダムハーツがXを産んだけれど、ママはサイクスだ。そしてパパがゼムナスだ。…とね」


シオ「…やっぱり自覚してるんだ。Xちゃんはキングダムハーツから生まれたのよ!」
ルク「しかしそんなことはあり得るのか?」
ゼク「キングダムハーツから存在が造り出されるなんて、聞いたことがありませんよ」


納得出来ない空気にヴィクセンが声を荒げる。

ヴィ「かつて心を調べた私達が言っているのだ。間違いなどない!」


ロク「…心なんて分からないだろ」

ヴィ「…なに?」
ロク「そう簡単に心を知り尽くせる訳ない!」
ヴィ「な、生意気な…!」

睨み合う二人。


アク「……あのよー、」

アクセルが口を挟む。


アク「コイツの正体が何かなんて知らねぇけど…可愛くていーじゃねーか?」

シオ「うん、アクセルの言う通りだよ。妹ができたみたいで嬉しい」


シグ「不思議だよなぁ?感情が自然と沸き起こる、なんてよ」
レク「……」
デミ「演技、じゃなくてね」
ラク「…そうね。昔の自分みたいに」


それぞれの思いに耽て俯く機関員。
ずっと黙っていたサイクスが口を開いた。


サイ「…ゼムナス、Xはこのまま放っておかないか?」
アク「珍しいこと言うねー?」
サイ「…しょうがないだろ。会話の内容が俺にも当てはまったのだから」
アク「……」


ゼムナスは静かに寝息をたてるXを横目で見た。


ゼム「…私も…何故こんな子供に情がわくのか…分からない」
サイ「……」
ゼム「何時か…我ら機関の力になるかもしれない」
ロク「…つまり…?」

ゼム「…暫し…様子を見る」


ゼムナスの答えに安堵が隠しきれず、お互い顔を見合わせてしまう機関員。



シグ「…へっ。お気楽な顔で寝てらぁ」
ヴィ「全く…無知な子供め!」
ラク「デカイ声ださないでよ!起きちゃうじゃない!?」
ゼク「…貴女も十分煩いですよ」

デミ「見て!今笑ったよ?!」
シオ「可愛い!!どんな夢かな?」
マル「美しい寝顔だ…!」
レク「……癒される」
ロク「…妹、かぁ」

ザル「…こうなったら優秀な機関員に育てあげてやる」
ルク「レディに手荒な真似はよしたまえ」


アク「結局ベタ惚れじゃねぇか、全員」
ゼム「〜〜〜っ」
サイ「…どうしたゼムナス?」


ゼム「私のXからぁ離れろぉお!!」

全「「「狽、わっ!!」」」

サイ「止めろゼムナス!Xが起きる!!」
アク「狽サっちかよ?!」


「…むぅぅ…」

ロク「お、起きちゃったぞ!」


「…あれぇ?みんないる…??」




【 きかんのみんな 】



「どんな夢見てたの?」
「みんなの夢だよっ!!」
「「「………///」」」
「みんなだぁいすき!!」



_________________
幼女シリーズのプロローグ終わり。
…なんか意味不な話になりました…残念っ

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