幼女

□しぐ、ザゥディン
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ギャーギャーと喧嘩する二人を背にXは庭園にある出窓に登っていた。


「よいしょ、よいしょ」

登り終えると窓から外を覗く。

すると突然。


パリーン


「ひっ」
「「狽チ?!」」


窓ガラスが割れた。
そして驚いた拍子にバランスを崩し…


「ぅわあっ!」


落下。


マル「しまった…!」
デミ「Xちゃん!!」


二人が駆け寄るも時すでに遅し。
Xの身体は宙にあった。


「…パパ…ママっ!」

Xはかたく目をつむった。

が、




シグ「パパとママじゃないってハナシ」


Xの身体はシグバールの腕の中にあった。
さらに周りには風が渦巻く。


デミ「シグバールにザルディン!」

割れた出窓から身を乗り出し、安堵するデミックス。


シグ「おっと、悪いなザルディン。お前さんの力より俺の力の方が的確かと」
ザル「ふん、調子に乗るな。悪いのは貴様だろう」

マル「割れたのはシグバール、貴方のせいだ」

デミックスの後ろからマールーシャが顔をだす。

シグ「へいへい撃ち損ねてすいませんね」
デミ「…つーか普通!そこで戦ってこの窓に当たるか?!」

つまり、外で手合わせしていたシグバールとザルディンだったが、誤ってガンアローの弾が出窓に当たってしまったのだ。


シグバールは再び空間移動をしてXを下に降ろした。

デミ「またねXちゃん!」
マル「愛しのX〜」
デミ「お前も落とすぞ!」

そしてXは上にいるデミックスとマールーシャに手を降って別れを告げた。



シグ「悪かったな」
「ううん、助けてくれてありがとう!」
シグ「ほぉ、良くできた姫さんじゃねーか?」
ザル「ふんっ」
「……」

そっぽを向くザルディン。
Xは何か悪いことをしたのかと思い、詰め寄った。

「…X何かした?」
ザル「!」
シグ(…おやおや…?)

「何かしたなら…謝ります。ごめんなさい…っ」

思わず涙が流れる。

ザル「な、泣くな!怒ってなどない!」
シグ「あ〜あ泣かせたぁ!ダスクだダスク♪」
ザル「っ黙れ!そもそも貴様が原因だろう?!」


焦るザルディンは思いついたようにXを宙に放り投げた。

「ぇ…?」
シグ「狽ネ、何やってんだぁ?!」

しかしXの身体は落ちることなく宙に舞った。


「わっX飛んでる?!」

シグ「…そうゆう…あやし方かよ」

ザル「どうだ、楽しいか」
「うん!!…えっと…ザゥディンありがとぉ!」
ザル「………///」


舌ったらずな呼び方や、弾ける様な笑顔。
今まで経験したことのないものばかりで思わず頬も緩む。



シグ(…おいおい…すっかり気に入っちゃってんじゃねーかよ)

楽しそうな二人を見てどこか疎外感を感じたシグバール。
負けじと空間移動をして風の渦からXを奪う。


「ひゃあっ!?」
ザル「む、」


そして瞬く間に違う場所に移動する。


シグ「どうだ姫さん?」
「すごいすごい!逆さになってるよ?!」
シグ「へへ」

色んな場所へ次々と移動する。
普通ではあり得ない体験にXも興奮する。


少しして地面に降り立った。


「し…し…」
シグ「あ?あぁ名前ね。シグバールだよ」
「しぐはすごいね!しゅんかんいどう、できるなんて!!」
シグ「すげぇだろ〜?」
「すごい!カッコイイ!!」

べた褒めするX。

シグ(…こりゃ確かに良い気分だな)


シグバールは睨むザルディンを横目で見て、ニヤリと笑った。

シグ「なぁザルディン」
ザル「…なんだ」
シグ「そう怒るなよ〜」
ザル「で、何が言いたい」
シグ「…ゼムナスが連れてきたのも頷けんなってハナシ」
ザル「………。」
シグ「無い心も擽られる」


「二人共、だーいすき!!」

ザル「……///」
シグ「ハハッ嬉しいね」


星が瞬いた。




【 しぐ、ザゥディン 】



「…でもしぐの方が好き」
「煤cなっ?!」
「ハハハ!!こりゃ傑作ってハナシだ!」

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