幼女
□マル
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二人仲良く歌いながら庭園に着く。
デミ「ここだよ」
「わぁあ…!!」
一面に咲くカラフルな花々。
繋ぐ手を離しXは駆け寄った。
寂しくなったデミックスもXの後を追う。
デミ「この世界は太陽も土もないから植物は生えないんだ」
「でも咲いてるよ?」
デミ「他の世界から持ってきたの」
デミックスは草の根を掻き分けて土を見せる。
「おひさまは?」
デミ「さすがに太陽は盗めないからね。人工の光と熱をあててるらしい」
難しい言葉にチンプンカンプンなX。
デミ「つまり…ゼムナスがこの部屋だけ植物を生えるようにしてくれたんだよ」
「パパが!」
デミ(買pパ?!)
「パパすごい!」
ゼムナスに多少の敗北感を覚えながらデミックスは水やりを始めた。
「でみ水出せるの?!」
デミ「え、あ…うん?」
「すごーい!」
デミ「…///」
再びテンションの上がるデミックス。
「まーるーしゃってどんな人?」
デミ「花好きのナルシスト!」
「なるし…すと?」
デミ「そー。自分のことカッコイイって思っちゃってる可哀想な奴だよ!」
マル「…何を教えている…」
デミ「狽、ぉっ?!」
背後に現れたマールーシャ。
マル「好き勝手言ってくれたな!」
デミ「だってホントのことだろ〜?」
マル「事実、私は格好いい」
デミ「うざっ」
マル「さっさと向こうにも水をやれ!」
ちぇっ俺の方が2つも先輩だぞ、
ブツブツ文句を良いながら水やりを続けるデミックスだった。
マル「さて、可愛いお嬢さん。初めまして」
「あなたがまーるーしゃ?」
マル「その通り。貴女がXさんだな?」
「うん、Xだよ!」
マル「素敵な名前だ」
デミ「Xちゃんに変なことすんなよ!!」
マル「だまらっしゃいっ!」
離れた場所で小競り合いする二人。
Xは花に夢中。
悲しきかな、これが現実。
マル「Xは花に興味があるのか?」
「お花大好き!」
マル(ーー同志!!!)
マールーシャは感激しながらXを抱っこした。
マル「もっと綺麗な花を見せてやろう」
あ、何やってんだよバカ!と喚くデミックスを他所にマールーシャは進む。
マル「…どうだ?」
「きゃぁ!赤いお花!!!」
マル「狽ョふっ」
頭突きをお見舞いしながら一目散にマールーシャの腕から脱出して花に近づく。
「きれいきれい!いい香り!!」
マル「気に入ったか?それは薔薇さ」
「ばら!!」
マル「赤、白、ピンク。どれも素敵だ」
「X赤いばら好き!!」
赤い薔薇の周りを走り回るX。
マル「X、これをあげよう」
マールーシャは深紅の薔薇が入った細長い瓶をXに渡した。
「くれるの?!」
マル「あぁ。それは一生枯れない」
「マル、ありがとぉ!!」
マル「…フフフ…///」
瓶に頬擦りするX。
マル「そう!私とXの仲の様に枯れることを知らないのだ!!」
ざっぱーん
マル「………」
デミ「お前はもう枯れ腐ってるけどな」
マル「…はっくしゅん!」
【 マル 】
「美女と野獣の薔薇は枯れるけどな、この薔薇は枯れん!即ちあの話よりもロマn「お前もう黙れよ!!」ぐはっ」