幼女

□おねぇちゃん
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キッチンの外には大きな広間があった。

そこを通り過ぎ廊下に出ようと走る。が、



ラク「あらら?お急ぎのようね??」


ラクシーヌが立ちはだかった。

ラク「こんにちは、ラクシーヌよ」
「Xです!こんにちは!!」

ドサドサッ

ラク「げっ?!」


Xが勢いよくお辞儀するとリュックの中身が全てこぼれ落ちてしまった。
アイスの棒をしまった時ふたを閉じ忘れていたのだ。


ラク「な、何馬鹿してんのよ!」
「ご、ごめんなさいっ」

しゃがみこむ二人。
…意外と優しいラクシーヌ。


ラク「…何この瓶?」
「はかせがくれました!」
ラク「博士ってヴィクセン?!あの変態が物を寄越すなんて…」

次はノートと鉛筆をとる。

「せんせが授業で使うからくれました!」
ラク「…ゼクシオン乗り気じゃなかった癖に?!」


続いて赤いサイコロ。

ラク「何、綺麗じゃない」
「ルクソォドさんが…」
ラク「へぇ!博打師にまで貰ったの?!」


最後にアイスの棒をしまった。

ラク(ロクサスかシオンあたりかしら…)


少し考えこみ、そしてXに笑いかけた。


ラク「…ゼムナス、サイクスといいコイツらといい…あんたどんだけの男をたぶらかしてんの〜?!」
「え?」

ラク「可愛い顔してやるわねぇ〜」


Xの小さい顎を指先で弄る。



「………」
ラク「…な、何よ?」

Xはじぃっと食い入るようにラクシーヌを見つめた。


「……きれぇ…」

ラク「…は?」

「きん…みどり……きれぇ!」
ラク「なっ…///」


Xはラクシーヌの顔を見て微笑んだ。
驚いてXから手を放す。


「ラクシーヌさんお人形さんみたい!!」

ラク「ラ、ラクシーヌさん?!///」

嬉しさ半分慣れない呼び方にたまげるラクシーヌ。


「ルクソォドさんがね、レディに優しく、って言ってた」
ラク(…あの紳士気取りめ…)


「ラクシーヌさんはきれぇでいいなぁ」

ラク「……くっ///」


ラクシーヌは掌から闇の回廊を作り出すと腕だけを突っ込み何かを引っ張りだした。


ラク「ほらっ持ってきなさい!」
「わっ!」


投げ出されたのは薄ピンクのウサギの人形。


「うさぎさん!うさぎさん!!」
ラク「クリスマスタウンで拾っただけよ!勘違いしないで頂戴!」

「ラクシーヌさん、ありがとぉ!!」

ラク「…ふんっ///」


Xはウサギを抱き締めた。
それを見てからラクシーヌは帰ろうと踵を返し始めた。


「…あのっ!」

ラク「な、何よ?」
「……///」

Xは俯く。


「…おねぇちゃん、って呼んでも…いいですか…?」




【 おねぇちゃん 】



「〜〜好きにしなさいっ!!///」
「おねぇちゃん大好き!」
(私が私じゃなくなっていく…ッ!//)

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