幼女
□はかせ
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ゼク「…では今日の授業はこれでおしまい」
「はぁい!」
ゼクシオンから貰ったノートと鉛筆をサイクスお手製の小さなリュックサックに入れる。
「ありがとおございました!」
ペコリとお辞儀したXに満足そうに微笑むゼクシオン。
ゼク「それではお気をつけて」
「せんせ、またあした!!」
ゼク「また明日」
書庫から走り去る小さな背中が見えなくなるまでゼクシオンは見守っていた。
「おなかへった、ママはどこかなぁ?」
サイクスを探すことに決めたXは適当に城を歩きだした。
すると
…
……ドーン!!!
…
「わっ」
物凄い爆音が城内に響きわたった。
「な、なんだろ?!」
興味を持ったXは音源であろう地下階段を降りていった。
薄明かりを辿って半開きのドアの前へやってきたX。
そぉっと侵入する。
薬品の匂いが鼻を刺し、Xは顔をしかめた。
しかし机の上でカラフルに光る薬品瓶に目を奪われる。
「うんしょ…っ」
近くで見たいという好奇心から自分の身長の倍はある机によじ登りはじめた。
「よいしょっ、よいしょっ!」
ヴィ「だ、誰だ?!」
「わっ!!」
いきなり叫ばれたXは驚いて床に落っこちてしまった。
ヴィ「…き、貴様はゼムナス殿の…!」
「ぅ…いたい…っ」
ヴィ「こんな所へ…どうやって入った?!」
怒りで詰め寄るヴィクセン。
「…どあ…開いてた」
ヴィ「だからといって勝手に入るな!」
「…ご、ごめんな…さいっ」
ヴィ「教育係のゼクシオンは全く何を教えている?!」
「…ひくっ…うぅ…っ!!」
ヴィ「?!」
ついに泣き出したX。
ヴィ(な、泣きだしただと?!)
ヴィクセンの頭の中ではあの言葉…『Xを泣かせたらダスク』が高速でぐるぐると回っていた。
ヴィ(……ダスクにされる!!!!!)
顔を真っ青にさせたヴィクセンはXに近寄った。
ヴィ「な、何も泣くことはないだろう?!」
「だ、だって…っひく…」
ヴィ「何かやるから泣き止め!な?!」
「い、いらなぃ…っ」
ヴィ「は?!」
「ママからっ…知らない人から物は貰うなって…」
ヴィ(…あのバーサク…っ)
「もう…しなぃよ…ごめんなさい…」
ヴィ「…ぐっ///」
潤目のXに揺らがされたヴィクセンは机の上にあった小さなボトルを掴んだ。
ヴィ「こ、これを持ってさっさと出ていけ!」
「きゃっ」
そしてそのボトルを無理矢理Xに持たせると研究室から追い出した。
【 はかせ 】
「はかせ、ありがとお!!」
「も、もう来るなよっ」
(…博士…悪くないな…///)