幼女

□れくせーす
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ラクシーヌから貰ったウサギのぬいぐるみを抱き締め広間から出る。

とてとて…とおぼつかない足取りで走っていたが、やはり大きなウサギの頭で前方が見えず転倒してしまった。


「うぅ…」

その衝撃でウサギが吹っ飛ぶ。

「狽、さぎさんっ!」


さらにそのぬいぐるみは壁にあるオーナメントに引っかかってしまった。


「ぬぁあ〜!」

奇声をあげながら背伸びして手を伸ばすが届く筈もなく。

「ふぬぅ〜!!」

そのまま一所懸命に頑張っていると、視界からウサギが消えた。


レク「……」
「…あっ…」


レクセウスは取ったぬいぐるみをしゃがんでXに手渡した。


「ありがとぉ!巨人さんっ!」
レク「…レクセウス」
「れくせーす!」

リピートするとレクセウスは頷いた。


「れくせーす大きいね!パパより大きい!」

レク(…ゼムナス殿か)

「いいなーXも大きくなりたいなー」


しょぼん…と項垂れるX。


レク「……」
レクセウスはXを抱っこする。

「わぁっ」

そして肩車をして歩きだした。


「高い高い!すごぃX大きくなった!?」

頭の上てはしゃぐX。
普段うるさいものを嫌う彼だったが、何故かXの鈴の様な声だけは不快感を感じなかった。


「Xは大きい!Xはつよい!」

同じことを繰り返すXに自然と笑みがこぼれる。


少しするとレクセウスはXを降ろした。


「…Xちっちゃくなっちゃったよ」
レク「…また今度」
「そっか、お仕事だよね!」

物分かりの良い…と感心しながらレクセウスは頷いた。


「れくせーす、またね!」
レク(……)


走り去ろうとするXの腕を掴む。


「どーしたの?」


レクセウスはXからぬいぐるみを取り、背中のリュックに上手い具合に顔と手だけを出して詰めた。


レク「…これで落ちない」
「すごーい!!」
レク「…可愛いウサギだな」
「ラクシーヌお姉ちゃんがくれたの!」
レク(煤cラクシーヌが?)
「もしかしてれくせーすも、どうぶつ好きなの?」

レクセウスは頷いた。

「Xも大好き!」
レク「…今度一緒に…見に行こう」
「どうぶつ?!」

頷くとXは瞳を輝かせた。


「やくそく、だよ!」
レク「約束しよう」
「じゃあねれくせーす!!」


ぴょこぴょこと歩き出すX。
背中のウサギがそれに合わせてレクセウスに手を振っていた。




【 れくせーす 】



(…ゼムナス殿…可愛い姫を拾ってきたな…)

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