零崎意/人識の人間再回

□1. XXX
1ページ/9ページ

0
隠した秘密はバレるが隠れた努力は見つけて貰えない。
1
ずるり、ととりあえず死体からカッターを引き抜く。手がべたべたして不愉快極まりなかった。
「………」
「…別に、」
「別に殺したかったわけじゃない」
と思う。
なんたって仮にも親だったし。
それこそ無意識に。
それこそ、
    -…呼吸するように。
ふ、と「自分」の顔が浮かんだ。
……………。
いやいやいやいや。
「……おぉ」
「えっ」
「随分落ち着いてるっちゃね」
「…あの、ここぼくの家なんですが」
その人は麦わら帽子をかぶっていた。
そしてこの語尾である。キャラ作ってます感がすごかった。…この人、もしかして。
「すいません、帽子どけて下さい」
「…角はないっちゃよ」
…ああ、びっくりした、らむちゃんかと思った。
「…今何考えてたっちゃ?」
「別に何も。」
……あ、そういえば。
眼下に広がる光景を再確認した。
「あの、」
「ん?……って、え?」
何故か死体に驚かずに、覗き込んだぼくの顔におどろいていた。
「………「いーちゃん」?」
「……何で?」
「…いや、なんとなくっちゃ。気にしないでくれっちゃ」
バリバリ気になるんですが。
……
「…ぼく、親を殺したんですけど」
「ん?それが?」
それが? ってか。
「しかもすごい無意識に。」
「ほうほう」
「そこで聞きたいことがあります」
「ん?」
「ぼくはー…、」
てん、
「ぼくは、もしかして」
「あなた逹の“家賊”ですか?」
「零崎、一賊ですか…?」
まる。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ