赤い光

□7時間目
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「……遊乃ちゃん」


『おー、カルマ。無事でなによっ』


私の言葉が途中で途切れた理由は簡単だ。
カルマの手が頬に伸びてきたからだ。


唇の端あたりを親指で
なぞられる
それを見る目は険しい


「あいつにやられたの?コレ」


嘘をついたところで、だな
髪の毛を左の耳にかけ
そうなるなと、答える


途端にカルマの両目が見開かれる
目線の先は私の"首筋"



………あ、あぁー

『チッ…汚ねえもんつけやがって』


力任せに袖口でゴシゴシと何度も拭う
消えるわけでも薄れるわけでもないが
気持ち的にはすずめの涙程だが楽になる



だが今度は私が目を見開く番だった


『…ッ!!カル、マ…!』


目の端に映る"赤色"
それは他の何物でもなく




赤色の髪の毛
カルマの髪の毛の色だった

拭っていた腕を捕まれたまま

ツツーっと舌を這わされ
ソレがある場所で舌が止まり
軽く甘噛みされた


『ちょ、…と』


押し返そうとするが
もう片方の腕を捕まれ耳元で
じっとしてて、などと言われる


はぁ、なんでこうなったんだよ


大人しくなったことを良いことになのかチクリとまた同じような痛みが同じところに感じる


ふわりと離れたかと思うと
満足そうに笑いカルマは離れて行った。





……髪の毛、結えないな。
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