赤い光

□7時間目
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「そうそう、俺等もよ肩書きとか死ね!って主義でさエリートぶってる奴等を台無しにしてよ

…なんてーか自然体に戻してやる?みたいな。
良いスーツ着てるサラリーマンには…女使って痴漢の罪着せてやったし

勝ち組みてーな強そうな女には、こんな風にさらってよ
心と体に二度と消えない傷を刻んだり俺等そういう教育{あそび}してきたからよ
台無しの伝道師って呼んでくれよ」


今までのことを思い返しているのか
下衆い顔をしながらそんなことを
自慢している

こいつら本当に腐ってる


『ハッ、本当に笑えないわ
あんた達とこの子達を一緒にしないでくれない?
台無しの伝道師?ふざけたこと言うのも大概にして。

あんた達のソレは、ただの下衆』


心底…不愉快だということを
隠す気もなく顔に出して言ってやる

男を睨み最後にクズ共が、と呟く


その言葉を聞いた瞬間
少しの間と共に
鈍い音が響いた。


力任せに殴られた音だ
口の中に血の味が広がる
端でも切れたかな

そんな思考もお構いなしに
髪の毛を引っ掴まれ無理矢理に
上を向かせられる

と、同時にカチャリ…と
手に冷たい感触と音が響いてきた


チッ……手錠か

「何エリート気取りで見下してんだ、あァ!?

てめえのその生意気な口もいつまで聞けるか楽しみだな

お前は俺が直接、可愛がってやるからよ」


ニヤリと男が笑うと
首筋に舌を這わされ、
チクリと少しの痛み

「くっく、いいか今から俺等10人ちょいを夜まで相手してもらうがな
宿舎に戻ったら涼しい顔でこう言え

《楽しくカラオケしてただけです》
そうすりゃ、だ〜れも傷つかねぇ」



ベラベラとよく舌の回る男だ
いい加減、好き放題されるのも
癪に障る。


そろそろ、この子達も
縄を解いてあげないと


腕の関節を外して縄と手錠を
静かに床に置く

隠し持ってたナイフを手に取り
足のロープを切る


スッと立ち上がり目を見開いている男達をよそにリーダー格の男の背後に瞬時に回る。

ピタリとナイフを首にあてがい
耳元で囁く


『抵抗なんてしないでね?死にたくは…ないでしょう?』


ニコリと笑ってみるが
恐怖のせいか男の目線は前を向いてまったく動かない

あぁ、うん、予想外だよね
拉致った女の1人が暗殺者なんて。


…もう少し早くやった方がよかったな


『あぁ、あんたらも余計なことしないでね?命は大事にしなきゃ』


男ごと一緒に振り向き
そのへんのイスを手に取ろうとしていた奴等に ね?と、また笑う


シーンとした空気の中


ギィ…と、扉が開く音が皆の耳に届く

見える人影に男が笑う


ふふ…仲間、ね
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