赤い光

□3時間目
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『んぅーっ…!』


グググっと背伸びをし
カバンを掴む


今日も1日終わった。
後は帰るだけだ。



カエデに別れを告げ
私も廊下に出る。

あぁ、そう言えば烏間に呼ばれてるんだった。


ふと思い出して職員室の方向へ向かう
が……なーんで渚がいるんだ?

しかも中をガン見してる



『やっほー、渚。どう…むぐっ』


声をかけるやいなや
即座に口を塞がれ自分の口元に
人差し指を置いている。


いわゆる静かに…ってことだ。
そしてそのまま左側を指される


渚同様、中を見ると
見知った先生3名に
見知らぬ毅然とした男1名

なんだか、ただならぬ空気だった。


「成績底辺の生徒が一般生徒に逆らう事

それは私の方針では許されない
以後厳しく慎むよう伝えて下さい」



『……………』



あの男は確か
椚ヶ丘中学の理事長…だったか?


「殺せんせー」


ふわりと男は殺せんせーに向かって
何かを投げる
それは単なる知恵の輪で


「一秒以内に解いて下さいッ」


「え いきなりッ…」


なんて言いながらも
触手は高速に動いている


が、その結果……


知恵の輪に弄ばれる
殺せんせーの姿が…



「……噂通りスピードはすごいですね
確かにこれなら…どんな暗殺だってかわせそうだ

でもね殺せんせーこの世の中には…
スピードで解決出来ない問題もあるんですよ

では私はこの辺で」




(ふぅーん、なるほどな…

成績底辺つまりはこの校舎の子たちか

で、一般生徒があのバカでかい本校舎とやらに居る生徒達…ね)



壁にもたれかけ中を見ず
話だけ聞いていた


すぐ隣からガララッと音が聞こえ
先程の男が出て来た。


当然私達の姿が目に入るだろう



腕を組み男を睨みつけた



「やあ!
中間テスト期待してるよ頑張りなさい!

ふむ、君が最近転入したという
姫龍 遊乃さんだね?

頑張りたまえ」



………横目で渚を見ると
胸を抑え"絶望" そんな顔をしていた


『……渚…』


ふわりと両手で渚の頬を包む

おデコをくっつけ
なるべく安心させるように言った


『…なんて顔してるのよ
渚は、渚よ?大丈夫だから。
そんな顔しないで見たくないわ。

ねぇ、この後 暇?
甘い物が食べたくなった

付き合ってくれない?』



渚の腕を掴み
理事長とは逆方向へ
私達は歩いて行った

あ、烏間……まぁいいか
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