赤い光

□4時間目
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―中間テスト―

コツ コツ コツ
コツ コツ コツ


もちろんこの音は、
何かを書いている音ではない。


見張りの先生が指を供託に
ぶつける音だ。


私達がE組だから、だろうな
露骨に集中を乱しにきている。


『(…ったく、ガキかっつの)』


「E組だからってカンニングなどするんじゃないぞ

俺達、本校舎の教師がしっかり見張ってやるからなー」




露骨な嫌がらせ…
それに加え名門校のテスト問題


こりゃぁ大変だわ
でも、きっと大丈夫


あのマッハ20の先生が
今まで気合を入れて教えてきたんだ

大丈夫じゃないわけが、ない。




ほら、空気が変わった。

カリカリ カリカリ

皆落ち着いて殺せんせーが言っていたことを思い出したのか次々と問題を解いていく


きっとあの先生は"こんなはず"じゃなかったのだろう。

焦り出し周りを見渡す



そんな教員の様子を内心笑いながらも順調に解き進めていくが、1つの問題で手が止まる。


問11──この問題以降、教えられたテストの範囲外である。


一応私も殺せんせーから予習プリントなどを貰ってはいたものの、どのプリントにもこれ以降の公式が用いられる例題は載っていなかったはず。

その証拠に、絶え間なく聞こえていたシャーペンの音も、ものの見事に消え去っていた。
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