きみを笑顔にさせるには。
□14
1ページ/1ページ
はぁ、どこで食べるか…
教室を出て、ぶらぶらと食べるところを探すが、転入初日なのですぐに見つからない。
「…あ」
校舎の隅にぽつんと置かれたベンチを見つけた。
あそこなら誰にも邪魔されずに食べられそうだ。
「…ふぅ」
ようやくお弁当を食べられる。
私はお弁当をいそいそと膝の上に開いてふと正面を向いた。
「…あ」
そこには、忘れ去られたようにぽつんと、一輪のコスモスの花が咲いていた。
なんて寂しいんだろう。
でも、凛と綺麗に咲いている。
誰かが水をあげないとそんな綺麗に咲けないはずだ。
忘れないでいてくれる存在がいる。
「…羨ましい。」
私の口からぽつりとその言葉が漏れていた。