きみを笑顔にさせるには。
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「椎名は俺たちと食べるけん」
思わず口に出したら椎名が目を大きく開いた。
そんな顔も別嬪ナリ。
…とと、話がずれてしもうた。
静かになった教室に俺の声が響き渡る。
「ブンちゃんもそう思わんか?」
なんだか面倒になったのでとりあえず丸井に話を振る。
「は!?仁王!?あ、いや、あの」
途端に真っ赤になりながら吃り出す丸井。
いつもの図々しさはどこに行ったのかの。
「あの、すみません。」
途端に椎名の声が響き渡った。
椎名の方を見てみると、
「…っ」
びっくりするほど冷たい目をしとった。
全てを拒絶するかのような。
「私、お昼は一人で食べたいので、皆さんは気にせず食べていて下さい。」
そう言うと、椎名は俺と丸井の横をすり抜けて教室を出ていった。