きみを笑顔にさせるには。
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「おい仁王ー、転入生男か女どっちだと思うー??」
俺、丸井ブン太は、隣の席で珍しく起きている仁王に聞く。
ガムを膨らませながら余裕で話せる俺って、天才的ぃ?
あ、でもこいつ朝練はさぼってやがったな。
真田がカンカンだったからなぁー。
幸村くんなんて、口には出さないけど、オーラが恐ろしかったぜ…
「…女。別嬪の」
そんなことを思い出していると、ボソッと仁王が呟いた。
「どうしてそう思うんだよぃ?」
「…………」
「勘かよぃ!」
そんなふうにしていると、平ティーが転入生を呼んだ。
さん付けしてるから、仁王の言った通り、女なんだろう。
(でも美人かどーか)
ガラリ
転入生が入ってきてみんなが静かに見つめる。
教卓の前まで歩いてきた転入生は顔を上げた。
「…………………」
パン。
膨らましていたガムが割れた。
「…やっぱりそうじゃった。」
隣で仁王が嬉しそうに呟いてるのが聞こえる。
「じゃあ、自己紹介して。」
平ティーが転入生に言う。
「……椎名千秋。」
転入生の女、椎名千秋は、びっくりするぐらいの美人だった。