きみを笑顔にさせるには。
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「失礼します。」
そう言って職員室のドアを開くと、教師たちが一斉に私の方を向く。
「本日転入する予定の椎名千秋なんですが。」
そう言うと、一人の若い男が、こちらに近付いてくる。
おそらく担任なんだろう。
「やあ、椎名さん。担任の平井涼です。よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
「で、椎名さんのクラスは3年B組なんだけど、まだちょっと時間早いんだよね。だから、学校案内してあげられればいいんだけど、今手が放せない用事があって…」
申し訳なさそうな顔をする平井先生。
「私、一人で回れるんで大丈夫です。何時に教室に行けばいいですか?」
私がそう答えると、ホッとしたような顔をした。
「ありがとう!えっと、今、7時10分だから、8時15分に教室の前に来て。」
「分かりました。」
礼をしてから職員室を出た。