あなたと一緒に。
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「千秋先輩。なんだか今日、浅羽先輩、機嫌悪くないですか?」
仲の良い後輩の友梨が、私の元へと来た。
…私は大分茶道部にも馴染め、後輩とも仲良くなっていた。
「あはは、やっぱり友梨もそう思う?」
「はい。なんだか怖いですー。」
(お兄さーん!後輩が怖がってますよー!)
直接は私も怖いので、心の中で言っておく。
(はぁ、それにしても祐希くん、急に下の名前で呼んできたりして、どうしたのかな?)
まぁ、別に嫌では無いのだが…。
(男の子に呼ばれるの、初めてなんだよな…。)
「大丈夫ですか。大分心が乱れているようですが。」
もんもんと考えていると、十先生が私に話掛けてきた。
「十先生。はは、色々ありまして。」
言葉を濁す。
「あちらも、荒れてるようですが。関係があるのですか。」
チラリと十先生がお兄さんの方を見て言う。
「あはは、あるような無いような…。」
また言葉を濁す。
そんな私を見て、十先生は静かに口を開く。
「気になるならば、相手に聞いてしまえばいいのですよ。」
「…!」
それだけ言うと、十先生は他の生徒の元へと行った。
(気になるなら聞け、か…。)
お兄さんの方を見る。
(後で聞いてみよう。)
私はひそかに決心した。