あなたと一緒に。
□2
1ページ/1ページ
「浅羽くんって絶対頭いいよね。」
「んー。」
私は、全て集めたプリントを先生に提出して、浅羽くんに私オススメのマンガを約束通り貸してあげた。
早速、浅羽くんは、壁を背にし、いすを横にずらしてマンガを読んでいる。
端の列の特権だ。
…私と浅羽くんは、席が前後ということもあり、けっこう喋るようになった。
話によると、浅羽くんはアニメやマンガがすごい好きなようで、つい最近、漫研にも入部したみたいだ。
…半帰宅部状態みたいだが。
そして、私も実は、かなりのアニメやマンガ好きで、よくマンガの貸し借りをするようになった。
「……。」
(それにしても、マンガを読むだけでも、様になりますなぁ…。)
頬杖をつきながら、浅羽くんを眺める。
…美形はすごい。
バチッ。
「!」
そんなことを考えていたら、ふとこちらを向いた浅羽くんとバッチリ目が合ってしまった。
「何ですか。」
相変わらずの無表情で聞いてくる浅羽くん。
「いや、浅羽くんって、マンガ読むだけでも様になるなぁー、と思って。」
正直に答える私。
「…そうですか。」
…一瞬、浅羽くんが照れたように見えたのは気のせいだろうか。