あなたと一緒に。
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「では、今日はこれで活動を終了します。お疲れ様でした。」
「「お疲れ様でした。」」
茶道部の部長の挨拶にみんなも返して、今日の活動は終わった。
ぞろぞろと部員たちが帰っていく姿を見て、私も腰を上げる。
(私も帰ろう。今日はこれで十分だ。)
しかし帰ろうとした途端、
「…あの、椎名さん、少し時間、ありませんか?」
お兄さんが私を呼び止めた。
「え…、まぁ、大丈夫ですけど…。」
(何だろう?)
「良かった。…春、俺、椎名さんに用があるから祐希のこと教室に迎えに行ってくれる?片付けは俺がやるからさ。」
「分かりました。でも、片付けいいんですか?」
「平気。準備は春がやってくれたからね。」
「じゃあ、お願いします。では、祐希くんをここに連れてきますね。」
「うん、よろしくね。」
そして、松岡くんは浅羽くんを迎えに茶室を出ていった。