あなたと一緒に。

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「今年は、千秋とも同じクラスになれたし、東先生が担任だし、楽しくなりそー!」

「そうだね〜」

今は、始業式が終わり、それぞれの教室に向かっている途中。

みんな、友達とのんびり喋りながら廊下を歩いている。

その中で、一際目立つ2人がいた。

「おい、祐希!お前、始業式ぐらいブレザー着てこいよな。」

「もういちいち要はうるさいなぁ。最近さらに小姑みたいになってるよ。」

「誰のせいでなってると思ってんだ!」

バシーン!

(あの叩いた人って、塚原くんだよね。生徒会だから見たことある。隣にいるのは…?顔がよく見えない…)

「あれ、あそこのうるさい2人って…」

私の視線に気付いたのか、小春も2人に目を向ける。

「浅羽と塚原じゃない?」

その名前を聞いて、心臓がドキリと跳ねた。

「あ、あさば?浅羽って…」

私の様子に気付いた小春は、続けて言う。

「あー、多分千秋が想像してる浅羽じゃないよ〜。」

「えっ、じゃあ…」

「浅羽祐希。浅羽悠太の弟だよ〜。しかも、双子のね。」

「えっ!ふ、双子!?」

私の驚き具合を見て、小春は呆れた目で見てきた。

「千秋、本当に知らなかったんだ…。常識だよー!」

その言い様にムッとした私は、

「そんな、常識ってほどじゃないでしょ!」

と、頑張って言い返した。

「…フゥ。ちょっと見てて。ねぇねぇ!」

小春は、思いっきり私に向かって溜め息を吐くと、近くにいた女の子に話し掛ける。

「浅羽ってやつ、知ってる?」

「もちろんだよ!悠太くんと祐希くん!学校中ですごいイケメン双子だって有名だもん!その祐希くんと同じクラスだなんて幸せー!」

ものすごい勢いで語る女の子。

「そっか〜。ありがとー!」

その女の子と話終えた小春が戻ってくる。

「分かった?」

「はい。すみませんでした。」

「うむ、よろしい。」

(でも、こんだけ有名ってことは…)

「…モテんだろうね。」

「当然。バレンタインとか、すごいことになってるらしいよー。」

私の呟いた言葉に小春が答える。

「そっか…」

なんだろう、この感じ。

胸の奥がモヤモヤする。

まだ誰も気付いていない、この気持ち。

(祐希。)
(あ、悠太ー。要がいじめるー。)
(ちょっと要、うちの子いじめんのやめてください。)
(いじめてねーし!こいつが突っかかってくっからだろ!)
(知らないぷー。)
(ぷーじゃねぇよ。ぷーじゃ。)
((あ、今朝の子だ。祐希のクラスなんだ。))
(悠太?)

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