あなたと一緒に。

□3
1ページ/1ページ

そうこうしている内に、穂稀高校に着いた。

家からは自転車で20分ほどで着く。

「うわっ!すごい人…」

クラス発表されているであろう看板の前には大勢の人、人、人………

「と、とりあえずクラス見に行かないと…」

人混みの一番外側らへんでビョンピョン跳びはねるが、160センチの身長では見えそうで見えない。

「もうちょっとだけ前に…」

すいません、すいませんと言いながら少しずつ人混みを掻き分けて進む。

「ふぅ、これで少しは見えそうかな…」

爪先立ちで看板を見て自分の名前を探す。

「えっと…椎名、椎名は…っわっ!」

後ろで談笑していたらしい男子の体がぶつかってきた。

爪先立ちをしていた私にはひとたまりもない。

(こ、転ぶ…!)

ギュッと目を瞑って、痛みを覚悟する。

フワッ

「大丈夫ですか?」

「あれ?」

優しく抱きとめられた体。

そして、上から降ってくる低い声。

上を見上げるとそこには…

(か、かっこいい…)

王子様がいました。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ