あなたと一緒に。
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そうこうしている内に、穂稀高校に着いた。
家からは自転車で20分ほどで着く。
「うわっ!すごい人…」
クラス発表されているであろう看板の前には大勢の人、人、人………
「と、とりあえずクラス見に行かないと…」
人混みの一番外側らへんでビョンピョン跳びはねるが、160センチの身長では見えそうで見えない。
「もうちょっとだけ前に…」
すいません、すいませんと言いながら少しずつ人混みを掻き分けて進む。
「ふぅ、これで少しは見えそうかな…」
爪先立ちで看板を見て自分の名前を探す。
「えっと…椎名、椎名は…っわっ!」
後ろで談笑していたらしい男子の体がぶつかってきた。
爪先立ちをしていた私にはひとたまりもない。
(こ、転ぶ…!)
ギュッと目を瞑って、痛みを覚悟する。
フワッ
「大丈夫ですか?」
「あれ?」
優しく抱きとめられた体。
そして、上から降ってくる低い声。
上を見上げるとそこには…
(か、かっこいい…)
王子様がいました。