Strawberry
□君のいる世界
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『救急車が急に止まるのは、中にいる人が死んじゃったっていう合図なんだって』
友達が、何気なく言っていた言葉。
『人って、死ぬ瞬間はすっごく冷たくなるんだよ』
廊下で、ふと聞こえた見知らぬ人の囁き。
『軍隊では命令は絶対で、もし"死ね"って命令されれば死ななくちゃいけなかったんだよ』
名前と顔が一致しない、社会科の教師の発言。
『戦争のときは、国のためならと皆進んで死にに行ったものです』
存在すらもうろ覚えな、国語教師の一言。
……すっごく不思議になった。
同時に怖くもなった。
……なんでみんな"死ぬ"なんて簡単に言えちゃうの?
たくさんの考えが頭を駆け巡る。
数えきれないほどの考え。
みんな、もちろん私も、もう死んじゃってるのかなって。
そっか。
私も死んでるの?
そう思って、自分の手を太陽の光にかざす。
……うん、死んでないみたいだ。
ふと目に映る。
グラウンドで走り回っている彼等もまた、太陽の光で輝いていて、死んでるわけじゃないんだなと実感した。
……ねぇ?
じゃあ、なんでみんな…
………なんでみんな、そんな怖いことを平気で言えるの?
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