Strawberry
□Bad tooth
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幼なじみだった。
私とユノは。
詳しいことなんて知らないけど、私の物心がついたときにからすでにユノは隣にいた。
私の家の隣の家に。
小さいころからずっと一緒だったことくらい、バカな私でも覚えている。
そのずっと一緒が、当たり前だったことも。
でもそのうちユノは、いつの間にかアイドルになっていて。
私の当たり前はだんだん崩れていった。
……そして、崩れた理由がその理由だけではないってことくらい、私にだってわかっている。
「歯医者さん、行かないとなぁ」
「う〜ん。イヤ」
「イヤかぁ〜…」
「うん。でも痛い。……でも行かない」
「あー…、うん」
「……でもさぁ、ユノ。虫歯って痛すぎると、」
死んじゃうかもしれないのよ?
だからユノ、しばらく側にいて。
そう言おうと思った。
だけどそんな私の意思を邪魔するユノのケータイの着信音。
聞き覚えのある歌。
ユノは本当に気持ち悪いほど、メンバー想い。
“東方神起”というものに誇りを持っているんだろうということが、無関係者の私にでもわかる。
……そう、ユノの全てくらい、私が1番知っているのに
ユノはポケットからケータイを出して、画面を開いた。
「あっ!あいつだ!」
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