Strawberry

□こけしの前髪
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「……ちょっと待って。何?今の音は」


「いや、なんでもない、なんでもないよ、本当に」





……なんでもないわけあるか。



デスクの椅子を部屋から持ってきて、座ってる私の下に新聞紙をしいて身構えているユノ。





……それはほんの20分前の出来事。



洗面所で前髪を切ろうとしている私の横にやって来たユノは、目をキラキラ輝かせながら言ったんだ。




それはもう、……あれよ。


ただの純粋な『好奇心』の目。



……そして今に至る。





「ユ、ユノが切ってみたいって言うから、やってもらったんだよ!」


「うん…………そうだね?」


「ちょっと!なにそれ!」


「初めてなんだよ、人の髪切るの」


「は、初めてなの!?」





ユノ君は、ちょっと照れながら苦笑い。


もう本当に意味がわからない。


とりあえず私は早歩きで鏡鏡と洗面所に向かう。







………鏡を見た瞬間、私は腰を抜かす。





「ユ、ユノぉーっ!!!!」



なにぃ、なんて。


後ろから聞こえる彼の声はなんて素っ頓狂なの。





ついさっきまで左右に分かれていた前髪が見事にパッツンにされている私が鏡にはいて。



それも……



ぴっちり眉毛の上で……






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