Strawberry
□相性占い
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「はい、これ」
「え?」
数日後、私の家にやってきたチャンミンは、上着を脱ぎながら私に1冊の冊子をくれた。
『厳選!相性占い』
表紙の文字は、なかなか念の入った文字で……
っていうか、はっきり言って汚いだけ。
幼稚園児が頑張って書いた漢字、って説明されたってうなずける。
さらによく見れば、何枚かの紙をホチキスで留めてあるだけの紙束。
となると、表紙の『相性占い』なんて、うんさ臭く見えてくるわけで。
「……なにこれ」
「いいから」
「えー、でも……」
「見ろ」
私はしぶしぶと冊子を広げた。
1ページ目にはいきなり
私とチャンミンの誕生日が並べられていて。
もう1ページ開くと、大きな文字で『相性最高!今世紀最高!宇宙一!』と、これまた念の入った文字で綴られている。
「チャ、チャンミン…!」
「……なに」
「今世紀最高だって!私たちの相性!」
「……よかったじゃないですか」
「この間の本は、嘘だったんだ!」
「うん」
そうみたいですね
そう言いながらチャンミンは、またあの雑誌を持ってわざわざ私の隣にピタッと座った。
「……きつくないの?チャンミン」
「きつい」
「……私、向こうのイスにいこうか?」
「別にいい」
「……なんで?」
「……相性がいいからじゃないですか?」
くすっと少し照れたように笑うチャンミン。
そんな不器用なチャンミンが好きすぎて……
「……チャンミーン、胃が痛いよ〜」
「くっつくな、トイレに行け」
(……ねぇ、この本、私とチャンミンの相性しか載ってないんだけど)
(そりゃ、厳選ですから)
(いくらなんでも厳選されすぎじゃないの?)
(だって僕が特注で、)
(特注?)
(……あ、口が滑った)
…―著者:しあ じゅんす
-END-