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□いつだって自分だけ
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「姫、無事!?」
そこには徳川の忍を蹴り飛ばしてくれた佐助が心配そうに私の顔を覗き込んでくる
『大丈夫、ありがとう』
笑顔で佐助に答えると安心した様子になる佐助
「ゆ、許さねぇ...!!」
徳川の忍が起き上がってきたらしく今にもこっちに向かってこようと構えている
それを見た佐助は先程の優しい顔つきとは一変して鋭い顔つきになる
佐助は次の瞬間、素早く相手の懐に入り込み蹴りをいれる
「お前、姫、怪我させた。我、姫、傷付ける、許さない」
佐助の密かな想い人に怪我をさせられ、珍しく佐助が怒る
そして、すばやい佐助にかなうはずがなく徳川の忍はすぐにやられ、そんなに早く走れるのかと聞きたくなるくらい早く逃げていった
「姫、体痛い?動ける?」
戦い終わった佐助がわたしのもとに来た
「うん、大丈夫だと思……っ!!」
「姫!!」
立ち上がろうとして足に力を入れた途端に足首に鈍い痛みが走り、体制を崩した時に佐助が受け止めて支えてくれた
つまり、いまの体制は私が佐助に抱き付いているような体制な訳で、恥ずかしがりやの佐助が耐えられるはずがない
顔が真っ赤になっていく
「姫!?わ…我…そのっ…!!」
慌てたようすで私の肩をかばっと押して私と佐助の間に隙間を作った
「え??…ごっごめんね、佐助!!嫌だったよね」
その行為にずきっと心が痛んで、しゅんっとしながら佐助に謝る
「いっ…否!!姫、誤解!!」
少なからずショックを受けていたので嫌じゃないと言われてとりあえずひと安心の私
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