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□あなたは一体誰が好きなんですか・・・
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あなたという人は一体、誰が本当に好きなんですか。
ある日私はそう思い始めたのでした。
誰もかしこも関わらず抱きついたり、仲良く話していたり、おまけにこの間はレンに『好きだよ』とまで言っていた。あなたは本当に私の事が好きなんですか。
「あなたは私の事を本当に好きなんですか。」
『へ?』
そう聞くと彼女は間の抜けた声でそう言った。
『どうしたのいきなり』
「あなたはレンが好きなんじゃないんですか。」
と聞くと次は目を見開いてすごい顔をしてきました。
10秒くらい固まってからやっと返事がかえってきました。
『何言ってんの?あたしはトキヤが好きだよ。』
そんな可愛い顔で『好きだ』なんて言われても今回だけは許しませんよ。
「確かに私は面白くも何もない人間ですが・・・名前は私に飽きましたか。」
『さっきから話が見えないんだけど…』
「何言っているんです!あたたはこの間レンに『好きだ』と言っていたでしょう!」
『あれはレンのピアスが『好き』って言っただけだよ!!』
え?では私の勘違いだというのですか。
『トキヤって意外と早とちりだよね、』
「違います、あなたが誰かもかかわらずそういう誤解を招くことをするからいけないのでしょう。」
『はぁ?あたしのせいなの!!結局!!』
………と会話は終わったものの、彼女はいっこうに自分が悪いとは思ってくれませんでした。
彼女の場合は『私が悪い(トキヤが悪い…)』と思っていることでしょう。