駄文
□水と陸
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水と陸
『やっぱオレとステラって違うのかな…』
セネルがいきなりおかしなことを言い出したので可笑しくなって私は笑った
『あ、ステラ、人が真面目に考えてれば笑って』
セネルは気を悪くしてそっぽを向いて拗ねてしまった
『ごめんねセネル
でもいきなりどうしたの?』
『だって違うじゃんオレとステラって民族とかさ民族で言ったらオレ達陸の民の先祖はステラ達の先祖に酷いことしてさオレだって…ステラやシャーリィに…!』
『セネル…』
私は彼がなんとなく言いたいことがわかったような気がしたから…それ以上は聞きたくないからそっと名前を呼んでセネルを抱きしめた
『ステラ…オレさ
オレがいなかったらおまえやシャーリィだってあの時危ない目にあうことなんてなかった…おまえが死にかけることなんてなかった…オレは…!』
『セネルお願いそれ以上なにも言わないで』
聞きたくなかった彼が自分を否定する言葉なんてだって彼が大好きだから私をみてほしくて昔から好きだった
会った時は無愛想で素っ気ないイメージしかなかったけど一緒に暮らすようになってからわかる彼のいいところ
彼が来たときは闇のようにどす黒い色を放っていただから私は黒以外の色も知ってもらいたくてセネルと色んなことを話した。
おもえば会った時から私はセネルのことが好きだったのかもしれない
『セネルでも私は生きてるじゃない?
だから自分で自分を追い込まないでお願い…
どこにもいかないでずっと此処にいてお願いセネル』
『……ステラ』
始めてだったと思う
ステラの我が儘を聞いたのは
その発する声はいつもの気品があり優しいステラじゃなくて凛々しいけど儚く消えそうな声だった
そんなステラを放っておける訳ない
だからオレは彼女に抱きしめられながらもオレもステラを抱きしめた
オレはステラの耳元でこう言った
『ずっと一緒にいるよステラごめんな不安にさせてオレがいないほうがおまえの為になると思ったんだごめん』
これは慰めでもなんでもない事実だ
オレがいないほうがステラやシャーリィにマウリッツさん等の他の水の民に迷惑をかけたくなかった
いくらヴァーツラフ軍を抜けたと言ってもオレは任務を途中で投げ出し水の民の里に住み込んだ裏切り者だ
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