大ヒロ 2
□DARKSIDE OF LOVE
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目を覚まして、大ちゃんを探す。
体が痛い。
腰がだるくて、肩や脚の関節が軋む感じがする。
大ちゃんは窓辺で煙草を吸いながら外を見ていた。
「大ちゃん…」
掠れた自分の声に驚く。
昨夜ムリに声を出したからだろうか。
そんな小さな声でも、大ちゃんは気づいてくれた。
酷いことをされたのに、大ちゃんが傍にいたことにほっとする。
「大丈夫?」
ベッドの端に座って優しく頬を撫でてくれる。
気持ちよくて、オレはもう一度目を閉じた。
少し低めの体温。
愛しい大ちゃんの温度。
それだけで、もう昨夜のことはどうでもいい。
DVから逃れられない人もこんな感じなのかな、なんて思ったけど。
それでもいい。
大ちゃんが好き。
どうしようもないくらいに、オレは大ちゃんのことが好きだから。
もうずっと。
一生離れたくなんかないから。
end.