お兄ちゃん

□城山紘子
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入学してすぐに廊下でぶつかりかけた、あの日からあたしは佐伯先輩のことを色々調べてきたのだ。


まずは名前と学年、クラス。それが、入学式に出席番号順に並んだ席で隣だった夏芽のお兄ちゃんだってことが解ったときはびっくりした。


ちょっと運命感じたりもした。


でも、それからも色々調べていくうちに、好きになる要因と同じくらい、知りたくなかったことにも気付き始めた。


見ない振りしても気付かない振りしても、まとわりついてくる事実。




あの兄妹、仲良すぎじゃない!?




夏芽はお兄ちゃんなんて、って態度取ってるし、佐伯先輩も殊更夏芽を構ったりしてる感じはない。


でも、毎日一緒に学校に来て、あたしが寄り道に誘わない限りは一緒に帰ってる。


先輩はパソコン部に籍だけ置いて幽霊部員状態、夏芽は完全に帰宅部。




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