お兄ちゃん

□城山紘子
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『お兄ちゃん、一緒に帰るの明日でもいいよって。どうする?』



夏芽からのメールを読んだあたしは嬉しさ半分、がっかり半分くらいで溜息をついた。


一緒に帰れるのは嬉しい。


でも、明日でもいいってことは、この恋に望みはない。

モテまくってる佐伯先輩のことだ、一緒に帰りたい子が何を考えているのかなんてお見通しだろう。


それが翌日で構わないということは、面倒なことになる前に早く諦めさせようってことなんだろう。


解ってたことでもある。


そんな予想が当たっても、全然、全く嬉しくなんかないけど。



『ありがとう☆ 明日楽しみにしてるね! 先輩に、お時間下さってありがとうございますって伝えて〜♪』



テンション高めのメール送って、ベッドに転がった。


無理なのは、解ってる。


明日、あたしがどんなに情熱的な告白をしたところで、先輩の心には響かないんだろう。




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