始まり

□◎第5話・腫れた右手◎
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人を守るためには、誰かが傷付つかなくてはならない。

君に触れて、心に詰まったものが、静かに流れて行く…。


◎腫れた右手◎


「つっく!?」

「つくね!?」

俺と揚げ豆腐は声を揃えた。

普段、滅多に争わないつっくが、人を殴るなんて…。

正直ビビった。

もしかしてつっくは大根さんの事……。

「つっく…。お、お前…っ」

「ローツ…」

豆腐が俺を心配そうに見た。

「やっと男の勲章を手にいれたんだな(ホロリ)」

「んな阿呆な。てか、つくね止めなくていいの!?」

豆腐が俺のワイシャツを引っ張った。

「…いいんだよ。止めなくて」

「へ…?」

つっくの気持ちを考えると、俺は止めに入ることなんかできなかった。

だって普段大人しくて、争いごとはしないあいつが、たった1人の女の為に人を殴ってんだぜ?

俺なんかが、アイツ等の間に入って止める義務はない、そう思ったんだ…。


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