その1
□8個目
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突然の夕立の後に訪れた、陽の光。
キラキラと草木が輝く中
彼女と彼は、笑い合っていた。
◎友として◎
顧問との部活の打ち合わせの最中、俺はついさっき自分に起きた出来事を思い出していた。
『餅巾っ、部活行こうよ!』
まさか、あのアイツからこんな言葉を言われるなんて思わなかった。
「どうした?餅巾。何にやけてんだ?」
顧問の人参先生に言われ、ハッとし口元を抑える。
「いや…。さっき、昆布に『部活行こう』って言われたんですよ」
俺は、人参先生にさっきのことを話した。
先生も昆布のトロさを知っているため、『へぇ〜。あの昆布がねぇ〜』かなり驚いていた。
俺自身、昆布にやる気がでてきたのかと嬉しかった。
「あいつ、恋でもしたのか〜?」
―ドキン―
「?…」
一瞬、心が、締め付けられる感覚に襲われた。
「ああいうタイプは、単純だからなぁ〜」
先生の言葉で思い出す、あの夜桜の帰り道。
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