終わり
□◎第66話・君を送る風◎
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僕は、顔をあげた。
そこに君が、いるような気がして…。
◎君を送る風◎
朝、目が覚めると泣いていた。
昨日、僕の愛しい人が、この世からいなくなった。
あまり実感は無かった。
けど…心は正直なんだな。
いくら泣いても、彼女が僕の隣に戻ってくる事は、もうない…。
「行ってきます…」
今日は、運悪く登校日。
明日の…卒業式の練習の為に。
今日は、家にいたかったんだけどなぁ…。
町の大通りに出ると、見慣れた2人組が僕をむかえた。
「つっく、おはよーん」
「おはよう」
「ローツ、豆腐さん…おはよ」
いつもの道
いつものメンバー
なのに…やっぱり、何か足りない。
彼女1人いないだけで、見るものに感動がない。
いつもなら「おはよ」って言って
昨日は何のテレビを見たとか
今日の授業の事とか
些細なことを話していたのに…。
やっぱり彼女はいなくなってしまったんだと、心が傷む。
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